2018年5月23日水曜日

トーマス・ラルヒャー「現代」的過ぎる?:ピアノ曲探索

今年は《リーズコンクールの課題曲》の現代作曲家 7人を手始めに「ピアノ曲探索」をする計画だったが、4月2日の《トーマス・アデスのピアノ曲いい ♪:ピアノ曲探索》以来、探索が滞っている。言い訳:他の作曲家のチェックもしていた(↓)…(^^;)。

《Nemmers Prize受賞ジェニファー・ヒグドンのピアノ三重奏曲 ♪》

《ゲニューシャス(Lukas Geniušas)デシャトニコフの新作初演 ♪》


ということで、今回はトーマス・ラルヒャー(Thomas Larcher)というオーストリアの作曲家。現代曲を得意とするピアニストから作曲家になった人なので期待できるかも…。


© Richard Haughton

簡単なプロフィールを Wikipedia: トーマス・ラルヒャーから引用すると…。


トーマス・ラルヒャー (Thomas Larcher, 1963年9月16日〜)はオーストリアの作曲家、ピアニスト。ウィーン国立音楽大学で、ハインツ・メジモレツとエリザーベト・レオンスカヤにピアノを、エーリヒ・ウルバンナーに作曲を学んだ。在学中からとりわけ現代音楽の領域でピアニストとして知られるようになった。

ラルヒャーはロンドン・シンフォニエッタ、アルテミス弦楽四重奏団、ハインリヒ・シフ、マティアス・ゲルネ、ティル・フェルナー、ウィーン放送交響楽団、サンフランシスコ交響楽団等のために数多くの作品を書いている。

作風はオクターブやメロディーが素直に出ており、ピアニストとして弾いていた現代作品とは趣が違うようだ。ECMと契約してからオーケストラからの人気や人望は厚く、大編成での仕事をつぎつぎとこなしている。

詳しくは Thomas Larcher 公式サイト(英語)をどうぞ。


とりあえず、YouTube の音源を探して聴いてみた。

唯一見つけたピアノソロが次の "Naunz" という曲。私の耳には「現代音楽」過ぎて、内部奏法なんかでちょっと面白い部分もあるが、あまり好みではない。

 Thomas Larcher: Naunz (1989) for piano - Emanuele Torquati


ピアノ作品以外も聴いてみた。チェロとオーケストラの作品で、ピアノも入っている。これもやや「現代音楽」的。部分的にはいい感じだが、全体としては好みではない。

 Thomas Larcher: Ouroboros for cello and orchestra (Norwegian premiere)


Wikipedia には「Proms2016で発表した『交響曲第二番』も…前衛音楽というよりは映画音楽のスタイル…」などと書いてあったので、もう少し聴きやすい曲を想像したのだが…。


で、《リーズコンクールの課題曲》になっている "Noodivihik" という曲を探してみた。

『Naunz』というアルバム(↓)に入っているのは見つけた。タイトルにもなっている最初の曲 "Naunz" は YouTube で聴いて「現代曲」的過ぎると思った作品だ。

アマゾンの『Naunz』商品サイトで "Noodivihik" の「試聴」はできるが、30秒ではよく分からない。課題曲になりそうな曲だとは思ったが…。



このなかに収められているピアノソロ曲は、他に "Klavierstück 1986" と "Antennen-Requiem für H." の2曲。あとはピアノ三重奏曲の "Kraken" など。

他のピアノ作品をNAXOS で探したところ、『Larcher: What Becomes』(↓)というアルバムにピアノソロの小品集が入っているのを見つけた。



曲目は下記。"Smart Dust" の2曲以外はわりと普通の(「現代音楽」的ではない)感じで、いくつかの曲はちょっといいかも…と思った。

"Smart Dust"から2曲
"Poems"(子供のための12の小品)
"What Becomes"(7つの小品)

試聴はMP3(デジタルミュージック)の Thomas Larcher: What Becomes で出来る。


ちなみに、"Poems"(子供のための12の小品)については、ラルス・フォークトが『子供のために ~ トーマス・ラルヒャー、シューマン、バルトーク』というアルバム(↓)でとり上げている。




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《リーズコンクールの課題曲:ピアノ曲探索はここから ♪》

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