2018年5月2日水曜日

究極の「伴奏ピアニスト」コレペティトア?

少し前になるが、《ピアノ界はソロ偏重?…聴衆(私)も?》という記事を書いた。このときに、オペラ伴奏のピアニストが副指揮者のような凄いことをやっているのを知って、本当に驚いたのだが…。

実は、バレエの世界にも同じようなピアニストがいて、それが日本人女性で、ウィーン国立歌劇場で活躍されている、という記事(↓)を読んで2度びっくりした。

✏️舞台裏へようこそ





この記事は「バレエピアニスト」である滝澤志野さんの紹介記事みたいなものだが、なかなかの大活躍である。「職場は、ウィーン国立歌劇場」で…

…バレエ団のクラス(基礎稽古)の伴奏で一日が始まる。午後はリハーサル。定番のチャイコフスキーから無調・変拍子の現代音楽まで、オーケストラに代わって音を出す

夜は公演。ピアノの出番があれば、オーケストラピットに入る。昨夏の来日公演では、舞踊芸術監督のマニュエル・ルグリと2人で舞台に上がり、バッハでの『共演』を果たした

…と、裏方的な仕事からステージまでフル活動だ。


この「ウィーン国立バレエ」は5月に来日するのだが、公式サイト(↓)には、残念ながら滝澤志野さんの名前は見当たらない。やっぱり「裏方」?

✏️ウィーン国立バレエ団 2018

このサイトには練習風景の動画も載っているが、「バレエピアニスト」というのはこんな感じなのかな?という一コマがあった(別の男性ピアニストですが…)。




もう一つちょっと面白い記事を見つけた。「オペラ指揮者&コレペティトア」宮嶋秀郎さん(チェコ・プラハ在住)のブログだ。

✏️コレペティトアとピアニストの違い


「コレペティトア」というのは「コレペティートル」とか「レペティトゥール」とか、いくつかの呼び方があるようだが(ややこしい…^^;)、Wikipedia では「歌劇場などでオペラ歌手やバレエダンサーにピアノを弾きがら音楽稽古をつけるコーチ」とある。

ところが、上のブログ記事によると「コレペティトア=指揮者」ということになる。本場で実際にその職業についている人の言葉なので、たぶんそうなのだろう。

それによると、

元々ヨーロッパでは、指揮者はまずオペラ劇場でコレペティトアとして長年修行し、後に指揮者に成長or昇格して行く、というのが伝統である

…とのこと。

コレペティトアというのは伴奏「ピアニスト」の究極の形なのではなく、「指揮者」に至る途中の姿、ということらしい。やはり文化的背景とか伝統の違いは大きい…。



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