2016年3月10日木曜日

コンサートランキングから評論家をランキング!?

「音楽の友」2月号に2015年一年間のコンサートランキングが載っている。39人の音楽評論家、記者がそれぞれベスト10をあげて、その集計で全体のベスト24を選んだものだ。こんな感じ(↓)。




上位24の中に、ピアノリサイタルが3つ(内田光子、ヴィルサラーゼ、ブロンフマン)入っている。なかでも、聴きに行った内田光子さんが2位に入っているのが嬉しい。

ほかにも、協奏曲のソロ・ピアニストとして、アンスネス(弾き振り)、アルゲリッチ(「平和の夕べ」)、小菅優がランクインしている。


一覧表を見ていると、コンサートのそれぞれを誰が選んだかが分かるようになっている。当然かもしれないが、結構ばらついている。ベスト24のうち7つのコンサートを選んでいる人が4人いるかと思うと、一つも選んでない(当たってない?)人が5人もいる。

もちろん、クラシック音楽と言ってもとても幅広いし、各評論家/記者の人たちにしてみても、それぞれの好みや主義・主張もあるだろうし、音楽業界での立ち位置(オペラの専門家等)のようなものもあるだろう。なので、ばらついていることは至って当然だと思う。

39人が何を選んでいるかざっと見てみると、肩書きにオペラ研究家とある人や、明らかに声楽の人だとわかる人、なぜか日本人ピアニストばかり選んでいる人、といろいろである。集計することに意味があるのだろうか?…とふと思うほどだ。


それはさておき、一覧表を見ていていいことを思いついた ♪ この結果から、音楽評論家のランキングが作れるのではないか?(あえてプロフィールなどは見ずに…)知っている人は3人くらいしかいないし。

ランキングというと言い過ぎだが、ベスト24を確率高く当てている人はわりと平均的な意見の持ち主、あるいは今の世の中を代表する意見…。逆に、ほかの人と違うものを選んでいる人は独自性が強い…、とか。

まぁ、いろいろと分析?できそうなのだが、興味があるのは、私にとって一番参考になる意見を言ってくれそうな人は誰か、ということだ。ピアノ音楽が好きで、その中でも、私と趣味や方向性が似通っていて…。できれば、少し辛口なことも言ってくれる人の方がいいのだが、それはこのデータからは見えてこない。


ということで、私が(僭越ながら…)選ぶ、私にとっての音楽評論家ランキングを作ってみた。カッコ内は1年間に聴いた公演回数、pのあとは選んだピアノリサイタルの数/ピアノを含む協奏曲・室内楽の数。


1. 青澤隆明(203回、p6/3)

以前お世話になった『現代のピアニスト30』という本の著者(下記参考記事)。選んでいるピアニストが割と私の好みに近い。

1位アルゲリッチ(室内楽)、2位リフシッツ、3位アンデルシェフスキ、4位アファナシエフ、6位ペライア(協奏曲)、7位ピーター・ゼルキン、8位レオン・フライシャー(弾き振り)、9位ヴィルサラーゼ、10位ツィメルマン。好みでないアファナシエフなども入っているが…。




2. 濱田滋郎(?回、p4/1)

室内楽・器楽を多く選んでいる人。1位がメジューエワ(メトネルがいい♪)、2位がアンデルシェフスキというのがいい。

他には3位が室内楽の花房晴美、4位ぺヌティエ、6位ホアキン・アチューカロ。最後のピアニストは知らないが、スペインの巨匠らしいのでそのうち聴いてみようと思っている。


3. 道下京子(101回、p4/2)

この人だけがキット・アームストロングを選んでいる(4位)♪

1位ルガンスキー、3位アンスネス、5位トリフォノフ、7位 田崎悦子。田崎悦子さんを選んでいる人は他にも2人ほどいた。一度聴いてみなくては…。


4. 青澤唯夫(106回、p3/1)

1位ヴィルサラーゼ、4位ブロンフマン、6位 小山実稚恵。コメントではチョ・ソンジンについても書いている。


5. 野平多美(83回、p4/2)

名前が気になったので調べたら、『作曲家から見たピアノ進化論』(お薦めです)の著者、作曲家/ピアニストの野平一郎さんの奥さんで、本人も作曲家。

1位がポール・ルイス伴奏+テノール、マーク・パドモアによるシューベルトの三大歌曲。3位 掛谷勇三、4位アンスネス、5位アファナシエフ、6位 野島稔、10位ピーター・ゼルキン。


6. 伊熊よし子(?回、p4/0)

ときどきブログを読ませていただいている音楽評論家。

1位ヴィルサラーゼ、4位 伊藤恵。7位のアンティ・シーララ、8位のマーティン・ヘルムヘンなどはなかなかいい選択だ(と思う)。


7. 真嶋雄大(186回、p4/2)

『ピアニストの系譜』という力作の著者。この本にもお世話になった。


1位は樫本大進(vn)+エリック・ルサージュ(p)、3位ポゴレリッチ、4位アレクサンダー・ガヴリリュク、6位マーティン・ヘルムヘン、9位ヨーヨー・マ(vc)+キャサリン・ストット(p)、10位 田崎悦子。ガヴリリュク、ヘルムヘンあたりの選択がいい感じ。


8. 原明美(?回、p6/2)

1位アレクサンダー・ロマノフスキー、2位萩原麻未+ヴォーチェ弦楽四重奏団、3位 永岡信幸、5位ボリス・ギルトブルグ、7位 脇岡洋平、8位 江口玲、10位 小山実稚恵など。

日本人ピアニストを結構選んでいる。ロマノフスキー、ギルトブルグは初めて聞く名前なので、一度聴いてみようと思う。


9. 片桐卓也(108回、p3/2)

1位アンスネス、3位 小菅優、4位 小山実稚恵、7位ペライア(協奏曲)、10位 内田光子。


10. 池田卓夫(200回、p1/2)

1位 内田光子、5位アンスネス(弾き振り)、7位アルゲリッチ(協奏曲)。

実は、この人の選んだ公演は7つ(最多)も全体のベスト24に入っている。わりと世の中の意見を代表している人なのかも…。


以上、まぁ、今後のレビュー記事などを見るときの参考に、ひょっとするとなるかも知れないが、基本的にはお遊びです…(^^;)。いつもランキングしている人がランキングされるなんて、ちょっと面白い?



  にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ 

0 件のコメント: