LFJ(ラ・フォル・ジュルネ)でピアノのマスタークラスに参加した。そのときの曲目が、デュティユーのピアノ・ソナタの 第3楽章「コラールと変奏」であった。
初めて聴く曲だと思っていたのだが、曲のことを調べている途中で、2年前に一度聴いていたことが分かった。このときは、ちょっといいなと思いながらも「やや乱暴に聞こえた」ので、お気に入りの曲とはならなかったようだ。
この記事を書いたときには、デュティユーは「97歳でいまだ現役」ということに驚いているが、実はこの前日(2013年5月22日)に亡くなっていたことを今回知って、二度びっくりである。
そのときに聴いたYouTubeの音源は今は削除されている。今回、別の演奏を探して聴いてみたのだが「乱暴」という印象はなかった。曲の印象は演奏者で本当に変わってしまうものだと、改めて感じた。
※追記@2022/12/14:またしても削除されていたので、別の音源を見つけた。
ちなみに、これを弾いているピアニストは、Genevieve Joy(ジュヌヴィエーヴ・ジョワ)という人。デュティユーの奥さんであり、このピアノ・ソナタも結婚の翌々年、1948年に彼女のために作られたものである。初演したのも夫人である。
この曲は、3つの楽章(I. Allegro con moto、II. Lied、III. Choral et variations)からなっている。第3楽章「コラールと変奏」は、コンクールなどでよく取り上げられているようだ。
デュティユーの主なピアノ・ソロ作品は、1〜2分程度の小品を除くと、次の3つがある。
- ピアノ・ソナタ/ Sonate pour piano [1948年] [25'00"]
- 3つの前奏曲/ 3 Preludes [1973,77,88年] [15'30"]
- 波のまにまに/ Au gre des ondes [1946年] [12'30"]
YouTubeには「3つの前奏曲」はアンヌ・ケフェレックさん、「波のまにまに」は Vincent Mussat というピアニストの演奏があった。※追記@2022/12/14:元の音源が削除されていたので差し替えた。
I - D'ombre et de silence(影と沈黙から)
II - Sur un meme accord(同じ1つの和音により)
III - Le jeu des contraires(対比の遊び)
最後の「波のまにまに」は美しい曲だ。ドビュッシー、ラヴェル、フォーレの影響が指摘される時期の作品だからかもしれない。こういう曲が弾けるといいのにと思う。
なお、子供向きに作曲された「田園詩(Bergerie)」という短い曲もあるようだが、やはりちょっと物足りない。
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