5月に「別府アルゲリッチ音楽祭」や「しいきアルゲリッチハウス完成公演」で来日していたアルゲリッチだが、8月には広島交響楽団「平和の夕べ」(広島・東京) への出演が決まったようだ。
被爆・戦後70年を迎える今年の「平和の夕べ」コンサートとして、8月5日広島、8月11日東京(サントリーホール)の2回の公演が予定されている。
アルゲリッチの弾く曲は、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番。ちょっと地味かもしれない。他に、ベートーヴェンの「エグモント」序曲とヒンデミットの交響曲「世界の調和」というプログラムである。
アルゲリッチのメッセージが掲載されているが、なかなかいい。
親愛なる皆様
広島の被爆70年を記念して、広島交響楽団とマエストロ秋山和慶と共演できますことをうれしく、かつ光栄に思います。
私はMusic Against Crime(ミュージック・アゲインスト・クライム)というコンセプトのもと日本国内で演奏を続けてまいりました。音楽には人を愛する事を育み、人を傷つける気持ちを萎えさせる力が宿っている、という信念からです。
第2次世界大戦で私たちが目撃したもっとも恐ろしい犯罪は広島と長崎への原爆投下とポーランドを襲ったホロコースト(ユダヤ人の大量虐殺)だと思います。
争いごとの解決のために核兵器を使用する犯罪と人種差別とエスノセントリズム(自民族中心主義)を利用した犯罪は二度と起こってはなりません。
私はこのような犯罪を消滅させるために広島が今まで以上に重要な役割を果たすものと信じています。
愛を込めて マルタ・アルゲリッチ
一方、ピアニストという枠を超えてすっかり「マエストロ」(大指揮者)となったバレンボイムは、来年の初めにベルリン・シュターツカペレを率いて来日する。9年ぶりの来日ということだ。(→東芝グランドコンサート35周年特別企画)
メインとなるのは「ブルックナー・ツィクルス」ということで、ブルックナーの交響曲全曲を1月31日から1カ月近くをかけて公演する。(残念なことに、ブルックナーは個人的にはそれほど好きではない…)あと、ブラームスの交響曲第2番のプログラムも予定されている。
バレンボイムのピアノは、モーツァルトのピアノ協奏曲の弾き振りで聴くことができる。ただし、ブルックナーの交響曲が長大となる第5番・第8番の日は、ピアノ協奏曲はない。
…と、私の好きな大物ピアニスト2人が立て続けに来日、という嬉しいニュースではあるが、本当はソロが聴きたいのだよね。でも2人とも、一度は生で聴きたいピアニストではある。
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