モーツァルトが作曲した最後のピアノ協奏曲。完成したのは 1791年 1月 5日であるが、3年前に書かれた第26番「戴冠式」のすぐ後に書き始められたのではないかと言われている。
上演回数 6位、録音回数 4位なのだが、私の中では 1〜2位を争う位置付けかも ♪
この曲に関しては、モーツァルト最後の年に書かれたこと、ウィーンでの人気が落ちて「予約演奏会」も開かれなくなった頃の作品であることなどから、「訣別」「諦念」「哀れ」などの言葉で語られることが多いようだ。
なのだが、個人的にはあまりそういう印象は持ってない。確かに、貴族などの聴衆を意識した華やかさや名人芸の誇示は影を潜めているが、落ち着いた音楽の美しさを純粋に楽しめる作品になっていると思う ♪
この 27番のカデンツァは第1楽章・第3楽章ともモーツァルトのものが残っている。
第3楽章のロンド主題は、ほぼ同時期に作られた歌曲「春への憧れ」K.596(自作目録にはこの協奏曲の 9日後に記載されている)でも使われている。
モーツァルト作のカデンツァもこのテーマから始まっているが、中にはこの「春への憧れ」全体をカデンツァとして使ったピアニストもいたようだ…(^^;)。
聴いた中で一番気に入ったのはピリスさん、マリア・ジョアン・ピリス(Maria João Pires、ポルトガル、1944 - )の名演奏。美しい音の響きと流れに身を任す幸せ ♪ ただただ聴き入ってしまうしかない…(^^)♪
トレヴァー・ピノックの指揮する Chamber Orchestra of Europe もいい。2020年の演奏。
ピリスさんにはクラウディオ・アバド指揮モーツァルト管弦楽団と共演した CD もある。
(トラックNo. 1-3)
ラルス・フォークト(Lars Vogt、独、1970 - 2022)の、少し抑え気味のテンポでの落ち着いた演奏もいい感じだ ♪
(トラックNo. 4-6)
ダニエル・バレンボイム(Daniel Barenboim、アルゼンチン、1942 - )の 1989年の録音。とても魅力的な演奏なのだが、ややペダルが多い?(録音のせい?)かも…。
(トラックNo. 10-12)
内田光子さん(1948 - )の演奏も美しいのだが、ややおとなしすぎる印象もある。
参考:
✏️モーツァルト :ピアノ協奏曲 第27番 変ロ長調 K.595(PTNAピアノ曲事典)
✏️ピアノ協奏曲第27番 (モーツァルト)(Wikipedia)
✏️ピアノ協奏曲 第27番 変ロ長調 K.595(Mozart con grazia)
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