トリフォノフが変身? ヒゲを蓄え燕尾服を着こなし、巨匠のような演奏風景(↓)。
これは、12月7日にカーネギーホールで行われたリサイタルの様子が YouTube に(全曲!)アップされている動画からの一コマ。
♪ Daniil Trifonov - Recital NYC Dec 7th 2016
※追記@2023/05/26:再生不可になっている
いや、変わったと感じたのは見かけだけではない。最初に弾いたシューマンの「子供の情景」から、実にしっとりと艶やかな、実に「聴かせる」シューマンだったのだ。
そのあとの「トッカータ」も良かったが、一番気に入ったのは「クライスレリアーナ」。
私自身、もともとシューマンはやや苦手な作曲家だった。「クライスレリアーナ」の良さが少し分かってきたのはつい最近のこと。だが、この演奏は本当に惹きつけられる、音楽性に溢れたものだと思った。
もともと、トリフォノフのクリアな音色や歯切れの良さは嫌いではない。が、そこに「コントロール」が効いてきた、というのか表現の幅が大きくなってきたような気がする。打楽器的な弾き方が(曲のせいかも知れないが)減って、より音楽的な音になっている。
音色も多彩になり、トリフォノフの感情がそのままピアノの音として紡ぎ出されている、という趣。
情熱的なトリフォノフも嫌いではないが、ときどきやりすぎて、コントロールできてない印象があった。少なくとも、このカーネギーホールのシューマンは、その表出がちょうどいい感じになっていて「円熟」という言葉さえ浮かんだほどだ。
いや、まだまだ丸くならずに、もっと大きくなってほしいピアニストなので、この若さで「円熟」して欲しくはないのだが…。
ちなみに、打楽器的になりそうなストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」もなかなかいい感じ。この演奏は、途中で観客の笑いを取る?ような演技も見もの…。一見(一聴)の価値あり ♪
それにしても、一昨日の記事で紹介した『超絶! トリフォノフ・プレイズ・リスト』といい、このシューマンといい、最近のダニールくん、かなり頑張っていい感じになってきたなぁ…♪
やっぱり「婚約」とかが影響しているのかな…(^^;)?
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