2016年4月5日火曜日

「ポスト・クラシカル」という潮流・ジャンル?

アルヴォ・ペルトを調べていて「ポスト・クラシカル」という言葉に行き当たった。クラシック音楽における最近の潮流(の一つ)ということらしく、少し興味を持ったので調べてみた。

「これがポスト・クラシカルだ」というサイトの解説が分かりやすい。ここにある「ポスト・クラシカル大相関図!」を眺めていると、何となく分かった気になる。

その一部が下記。アルヴォ・ペルトと、最近知ったカール・ジェンキンスの名前がある。




注:「これがポスト・クラシカルだ」というサイトは 2020/12/4 時点では無くなっていて、「NaturaRythm 〜世界を癒す、ヨーロピアン・プレミアム・サウンド」というのに変わっている。もちろん内容もまったく入れ替わっていて、上の図もない…(^^;)。


上の図には「プログレッシブ・ロック」という言葉もあるが、たまにクラシック音楽(現代音楽)の本に出てきたりする(↓)。そのうち聴いてみよう…。



さて、「ポスト・クラシカル」とは何か、このサイトの解説を要約してみると…。


クラシックの新しい潮流であり、ここ10年くらい、日本でも徐々に注目を集めるようになった。従来はアンビエント・ミュージック、ニューエイジ、クロスオーバーなどに分類されていた音楽だが、欧米では一つの新しいジャンルとして高い評価と支持を得ている。

最近では、ヴァイオリンのヒラリー・ハーンやダニエル・ホープ、ピアノのアリス=紗良・オットなど、ポスト・クラシカルを積極的に紹介したり、コラボするクラシック演奏家たちも増えている。

その特徴は、大まかに言うと、クラシック音楽のアコースティック的なサウンドを用いながら、1990年代以降のエレクトロニカ(電子音楽)の手法も取り入れた、現代的な感覚をもった「人に優しく、耳に優しい」音楽である。


作曲家としては、ドイツ出身のマックス・リヒターやハウシュカ(フォルカー・ベルテルマン)、アメリカ出身のニコ・ミューリー、アイスランド出身のオーラヴル・アルナルズやヨハン・ヨハンソン、イタリア出身のルドヴィコ・エイナウディなど。

さらに、ロック畑出身ながら近年はクラシック作品の作曲で高い評価を得ているのが、イギリス出身のカール・ジェンキンス(ソフト・マシーン)やジョニー・グリーンウッド(レディオヘッド)、アメリカ出身のブライス・デスナー(ザ・ナショナル)、カナダ出身のリチャード・リード・パリー(アーケイド・ファイア)などである。

ちなみに、「ポスト・クラシカル」という名称はマックス・リヒターが最初に使ったものだが、欧米では "modern-classical" や "neo-classical" と呼ばれることが多い。(それぞれが違うものだとする意見もあるようだ)


以下、個人的な感想。

これまでに聴いた「ポスト・クラシカル」の作曲家は、「相関図」の中では、エリック・サティ、アルヴォ・ペルト、カール・ジェンキンスだけ。しかも、数曲ずつくらいしか知らない。

その範囲だけで言うと、基本的には好きなタイプの音楽だ。ただ、一方でなにか物足りなさ?のようなものも感じる。

弾く(練習する)曲としても、弾き心地がいい(わりと簡単にいい響きが体感できる)部分と手応えが感じられない(つかみどころがない)部分とがあるようだ。

いま少し弾いてみている「鏡の中の鏡」も、弾くのは簡単なのだが、音楽として作っていく(表現する)のは難しい、と感じている。

ただ、「作曲遊び」の教材?としては、ちょうどいいのかも知れない。音の数が少なく、わりと簡素なメロディーや和音が使ってあるので、私のような初心者にはとっつきやすい。それに、きれいな曲が多いので、似たようなフレーズが作れたりすると少し嬉しい。


ちょっと分からないのは、この「潮流」というのは本当に新しいものなのだろうか?一つの「大きな流れ」として定着していくものなのだろうか?ということ。

「相関図」にもあるように、サティが提唱した「家具の音楽」や「ミニマル・ミュージック」のようなものはこれまでにもいくつかあったのではないかと思われる。

聴き手の勝手な言い分としては、「イージー・リスニング」「ヒーリング・ミュージック」、あるいは映画音楽の中の同じような傾向を持つ音楽など、昔からあった音楽と重なる印象を持ってしまうのだ。

追記(2020/12/4):最初に挙げたサイトのタイトルが「NaturaRythm(ナチュラリズム)」というヘンテコな?名前に変わっていたが、これも音楽の内容はあまり変わってないのに看板だけすげ替えて、いかにも最近の流行だと言いたいだけなのかも…(^^;)?


「潮流」(流行?)にはなってないのかも知れないが、日本人でも「環境音楽」( ≒ 「アンビエント音楽」)を作っていた人もいる(↓)。



拡大解釈すれば、ドビュッシーが主張していた「野外音楽」などにも類似性を見出せるかも知れない。

(野外用に作られた音楽が自然の中で演奏されると)大気の流れ、木の葉の動き、花の香気の、神秘な協力が実現するだろう」(↓)

《ドビュッシーの追求した音楽:「音楽のために」から》


さらには、「自然と融和した中で、竹林に吹く風のように奏でられる邦楽器」(↓)のように、もともと日本古来の楽器(尺八とか)は自然の中で、自然と溶け合うように奏でられるものが多く、その音楽にも同じような匂いを感じるのだが、どうだろう?



…と、ついでにいろいろ考えてみたが、まずは何人かの音楽を聴いてみたいと思っている。

それと、とりあえずは「作曲遊び」のいい教材として「ポスト・クラシカル」のピアノ曲、といってもたぶんアルヴォ・ペルトだけ…、を活用させていただくことにしよう。



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