2016年4月14日木曜日

3人のソリスト登場!豪華なベートーヴェンの「三重協奏曲」♪

ラフォルジュルネのマスタークラスを検討するために、フランク・ブラレイというピアニストを調べていて、珍しい曲に出会った。ベートーヴェンの「三重協奏曲」というものだ。正式な名称は、

「ピアノ、ヴァイオリン、チェロと管弦楽のための協奏曲 ハ長調 作品56」
(Konzert für Klavier, Violine, Violoncello und Orchester C-dur )

だが、通常「三重協奏曲」(Triple Concerto)と呼ばれている。


フランク・ブラレイ(ピアノ)、ゴーティエ・カプソン(チェロ)、ルノー・カプソン(ヴァイオリン)という3人のソリスト、ハイティンク指揮のヨーロッパ室内管弦楽団による演奏が下記。

♪ Beethoven - Triple Concerto in C major, Op. 56, Capuçon, Braley, & Haitink
※追記@2023/03/10:リンク切れ

ハ長調の明るい、いい感じの曲だが、ベートーヴェンらしいオーケストラの厚みのようなものも感じられて、初めて聴いたのだが、なかなか気に入った。

「三重協奏曲」そのものが初めてだったのだが、室内楽みたいな部分と協奏曲的なところが組み合わされていて面白い。ピアノ、チェロ、ヴァイオリン、オーケストラという4つのいろんな組み合わせの掛け合いも楽しめる。この形は他の作曲家にはほとんどなさそうだ。

フランク・ブラレイのピアノも、とてもいいアンサンブル感をもって、いい感じで鳴っている。


で、そもそもどんな曲か調べてみると、意外と評判は芳しくない。代表的な評価は Wikipedia の説明(↓)に集約されそうだ。

ヴァイオリンソナタ第9番『クロイツェル』、ピアノソナタ第21番『ワルトシュタイン』、ピアノソナタ第23番『熱情』、交響曲第3番『英雄』などが書かれた時期の作品であるが、今日ではあまり評価が高くない。

ピアノ三重奏を独奏楽器として管弦楽と対置するという発想は意欲的なものであったが、ベートーヴェンはそれを十分に処理しきれずに終わった、というのが一般的な評価である。

このように作品自体が凡作と見なされている上に、独奏者を3人も必要とすることから、演奏の機会は非常に少ない。とはいえ、あくまでベートーヴェンの中期の作品との比較で見劣りがするということであり、古典派協奏曲の様式に則った充実した作品である。


また、チェロが非常に難しいのに対して、ピアノはとても易しく書かれており、「ヴァイオリンとピアノのオブリガート付きチェロ協奏曲と考えるのが良い」(音楽評論家の渡辺和彦氏)という意見もあるようだ。たしかに、チェロのソロは目立っている。

ピアノのパートが易しいのは、ベートーヴェンのパトロンだったルドルフ大公(ピアノ、初演)のために書かれたことが、その理由らしい。


でも、私にはとても「駄作」には聴こえない。YouTube で見ても、錚々(そうそう)たるソリスト、指揮者による演奏が並んでいる。例えば、…

→リヒテル、オイストラフ、ロストロポーヴィチもすごいが、指揮はカラヤン!

♪ Beethoven, Triple Concierto y Fantasía Coral. Yo-Yo Ma, Perlman, Barenboim 
→バレンボイムの弾き振りに加えてヨーヨーマとイツァーク・パールマン!
※追記@2023/03/10:リンク切れ

♪ Beethoven Triple Concerto C major Anne Sophie Mutter Andre Previn Lynn Harrell Kurt Masur LPO
→アンドレ・プレヴィン、アンネ=ゾフィー・ムター、リン・ハレル
※追記@2023/03/10:リンク切れ

これはもう聴き比べるしかない ♪! まさに「競演!」という趣である。(…ということで、今朝はちょっと睡眠不足…)


そのあと、CDを調べていたら、つい最近亡くなったアーノンクール(指揮)も録音しているのを発見(↓)。で、ピアニストをみると、なんと、エマールさん ♪!



ベートーヴェン像を挟んでの、アーノンクールとエマールさんのツーショットがなかなかいい感じ ♪

これは聴いてみたいと思って、念のため YouTube を検索すると、3楽章に分割したものを発見。

※追記@2023/03/10:差し替え

昨夜は睡魔に負けて、1楽章の途中で断念。
今日のお楽しみ〜 となりました…(^^)/♪



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