2023年1月15日日曜日

バッハ平均律第1番プレリュードの弾き方:聴き比べで選ぶベスト 3

バッハの平均律第1巻第1番(BWV846)プレリュードを練習するにあたり、お手本となる演奏を探してみた。ともすると平凡になりがちな?この曲を、少しでも自分なりに納得のできる弾き方をしたいと思い…。



結果的には、お手本演奏として一つだけ選ぶということはできなかった。…が、参考になる演奏はたくさん見つかった。いろんな弾き方ができる曲だと言えるかも知れない。

その中で、比較的気に入った演奏を 3つ挙げるとすると…。

一人目はエフゲニー・コロリオフ(Evgeni Koroliov、露、1949-)。

全体的に一番好きな演奏。粒の揃った美しい音で淡々と歌い上げる。フレーズや曲全体にわたる強弱のふくらみがいい感じ ♪ 終盤のわずかなルバートも自然で好感が持てる。



二人目はたぶん初めて聞く名前だが、トーマス・シュワン(Thomas Schwan、伊、1985-)というピアニストの演奏。YouTube の動画を見たとき、一瞬トリフォノフかと思った…(^^;)。

自然体だがやはり全体の起伏の盛り上げ方がいい。最高音がきれいに響く。中間部あたりでベースの遷移をやや強調しているのが面白い ♪



三人目はアレクサンドル・タロー(Alexandre Tharaud、仏、1968-)。

ピアノの音色は美しい。後半のダイナミックな盛り上げ方はちょっと好きかも…♪ コーダに装飾音をつけているが、これは弾き方が難しそう…(^^;)。



その次に気になった演奏を挙げておく。

バレンボイムはテンポが一番速い。疾走する中でペダルの踏み方も場所によって変えていたり、ややスタッカート気味に弾いたり、ちょっと忙しい感じ…? 最高音(ソプラノ?)を意識しているようなところも感じる。


ポリーニは音もきれいで正統派の素晴らしい演奏なのだが、個人的にはあまり面白いとは思わない。やや速めに全体が流れる感じ。低音をやや強調しているところもある。



ドロール・ビラン?(Dror Biran、イスラエル、1977-)というシンシナティ大学のピアノ科の教授が弾いている音源もいい感じ。こういう訥々とした弾き方もいいかも…。

その他、ラン・ランの演奏もダイナミックで色んなことをやっていて面白いのだが、ちょっとやりすぎの感がある…(^^;)?



あと、グレン・グールドはもちろん独特の弾き方(2・4拍目はスタッカート気味)をしていて、聴く分には面白いが、あまり参考にはならないかな…。



それから、お手本とは関係ないが、参考のためにハープシコードなど聴いてみた。


ハープシコードは Siebe Henstra という人の演奏。自然体でいい感じだ。コーダに少し装飾音を入れている。アルペジオでの和声を聴かせる曲だと感じた。



オルガンは使う楽器で印象がずいぶん変わる。



あと、グノーの「アベ・マリア」は有名だが、チェロ版を聴いてみた。なかなかいいのだが、バッハのプレリュードを練習するに当たっては、あまり聴きすぎない方がいいかな…(^^;)?



…ということで、今回聴いたいくつかの演奏を参考に、自分なりの弾き方を模索してみようと思っている。以下、感じたことのメモ書き。


まず、全体の流れとその中での滑らかなダイナミクス、そしてアルペジオでの和声を聴かせる曲だと思った。なので、フレージングと山の持って行き方が大事になる。

音の粒立ちの美しさは一番重要な要素だと思われる。最初の音・和音の響きで印象が決まってしまう。

特徴の出し方として、アルペジオの中でのアクセントの付け方がありそう。強調する対象としては、1拍目のベース音、2拍目の最高音があると思われる。

全体を通して同じパターンを継続するのか、一部でベース音(の遷移)を出すのか、あるいは最高音を際立たせるのか…といった選択肢がありそう。

それと、タッチの問題、柔らかくレガート、ややマルカート気味、スタッカート気味など。これに、ペダルの使い方・深さの調整が組み合わされる。

あと、コーダに付ける装飾音は、たぶん私には無理…(^^;)。



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