2022年5月13日金曜日

🎹J.タル 1910-2008 ピアノ協奏曲に面白い作品が多い ♪

《鍵盤音楽史:現代》 8人目の作曲家は、ヨセフ・タル(Josef Tal, イスラエル, 1910-2008)。

4年前のラフォルジュルネで福間洸太朗さんがプログラムに入れていた「ピアノソナタ」で初めて名前を知り、初めて作品を聴いたのがヨセフ・タル。





ヨセフ・タルはドイツで生まれ、ベルリン音楽大学でパウル・ヒンデミットとマックス・トラップにピアノと作曲を学んだ。ナチス政権が成立すると、1934年にパレスチナに移住した。

1937年、パレスチナ音楽院のピアノ・音楽理論・作曲の教師として招かれ、1948年から1952年にかけてはエルサレム音楽アカデミーの院長を務めた。1951年にヘブライ大学の講師に招かれ、1961年、そこにイスラエル電子音楽センターを設立。1965年には同大学の上級教授となり、のちに音楽学部長となった。

作品には 3つのヘブライ語オペラ、4つのドイツ語オペラ、6つの交響曲、13の協奏曲、室内楽曲、電子音楽などがある。ピアノ作品も多い。


作風は、ピアノ関連作品のいくつかを聴いた限りでは、かなり幅広いような気がした。70年近いキャリアがあるので、年代別の傾向も違っていると思われる。

さらに、電子音楽を採り入れたことによっても作品の幅が広がっている。

初期の作品には 12音技法などの「現代音楽」的な技法も扱っている。確かに(私の嫌いな…(^^;)…)「現代音楽」的な響きのする作品もある。一方で、音楽的に自然な響きが伝わってくるものもあって、作品ごとの個性を味わう必要があるのかな…と思った。


ピアノ/鍵盤関連作品を年代順に並べた。ピアノソロ(4手を含む)以外はグレーの文字にしてある。出典は✏️List of compositions by Josef Tal(Wikipedia /英語)。


  1. 1931 Pieces(4手)
  2. 1936 Chaconne
  3. 1937 Three Pieces
  4. 1940 Theme and Variations:2台ピアノ+打楽器
  5. 1945 Concerto No. 1:ピアノ+オーケストラ
  6. 1945 Cum Mortuis In Lingua Mortua:ムソルグスキーの主題による7つの変奏曲
  7. 1946 Six Sonnets
  8. 1949 Sonata
  9. 1951 A Little Walk(4手)
  10. 1953 Concerto No. 2:ピアノ+オーケストラ
  11. 1956 Five Inventions
  12. 1962 Dodecaphonic Episodes
  13. 1962 Concerto No. 4:ピアノ+磁気テープ
  14. 1964 Concerto No. 5:ピアノ+電子音楽
  15. 1964 Concerto:チェンバロ+電子音楽 (Rev. 1977)
  16. 1970 Concerto No. 6:ピアノ+電子音楽
  17. 1973 Trio for violin, cello & piano
  18. 1975 Five Densities
  19. 1979 Double Concerto:2台ピアノ+オーケストラ
  20. 1983 Salva venia:オルガン
  21. 1986 Essay I
  22. 1988 A Tale in Four Parts(4手)
  23. 1988 Essay II
  24. 1989 Essay III
  25. 1997 Essay IV
  26. 2000 Essay V


以下、YouTube で聴いた音源の主なもの。


「ムソルグスキーの主題による変奏曲」
 Josef Tal - CUM MORTUIS IN LINGUA MORTUA

「展覧会の絵」の主題による変奏曲。この音源には 7つの変奏曲のうち 3つしか入ってない。タイトルは「死者の言葉による死者との対話」という意味らしい。美しいのだが…。


「6つのソネット」
これも、悪くは無いが、聴き終わっての満足感はそれほどではない…(という印象は前回聴いたときと変わらない)。


「ピアノソナタ」
 Josef Tal - Sonata for piano - Kotaro Fukuma

福間洸太朗が 2011年の "Arthur Rubinstein Piano Master Competition" で弾いた演奏。曲としては、正直よく分からない。ちょっと面白いところもあるが、やや難解…かな?


「Five Densities」

「現代音楽」的であまり好みではない。


「エッセイ Ⅲ」
 Josef Tal - Essay III for piano

6つある "Essay for piano" を一通り聴いた中では、唯一この "III" がいい感じで、あとは「現代音楽」感が私にはちょっと合わなかった(抵抗感があった)。


協奏曲の方が、ピアノ独奏曲より聴きやすく面白いものが多い…というのが個人的感想。


「ピアノ協奏曲第2番」
 Josef Tal - CONCERTO No. 2

何となく好きな感じで「何かいいなぁ ♪」と思いながら最後まで聴いてしまった。17分ちょっとの短いコンチェルトではあるのだが…。(前回の感想と同じ…(^^;)…)


「二重ピアノ協奏曲」

ピアノ 2台とオーケストラのための協奏曲。これは割と好きな感じ ♪


「チェンバロ協奏曲/ 電子伴奏」

電子音楽を伴奏にした協奏曲。チェンバロの音や「現代音楽」的な弾き方が電子音と意外に合っていて、ちょっと面白い ♪


ちなみに、タルは 14曲の「協奏曲」を書いている(↓)のだが、番号がついている 6曲はソロ楽器がピアノのもののようだ。第3番のように声楽(テナー)が入るものもある。

  1. 1945 Concerto No. 1 for piano & orchestra
  2. 1953 Concerto No. 2 for piano & orchestra
  3. 1953 Concerto for viola & orchestra
  4. 1956 Concerto No. 3 for tenor, piano & orchestra
  5. 1960 Concerto for cello & string orchestra
  6. 1962 Concerto No. 4 for piano & magnetic tape
  7. 1964 Concerto No. 5 for piano & electronic music
  8. 1964 Concerto for harpsichord & electronic music  (Rev. 1977)
  9. 1969 Double Concerto for violin, cello & chamber orchestra
  10. 1970 Concerto No. 6 for piano & electronic music
  11. 1971 Concerto for harp & electronic music (Rev. 1980)
  12. 1976 Concerto for flute & chamber orchestra
  13. 1979 Double Concerto for 2 pianos & orchestra
  14. 1980 Concerto for clarinet & orchestra


おまけ1。タルの自筆譜(ピアノソナタ)。"https://joseftal.org" より。




おまけ2。イスラエルの電子音楽の祖とも言われるヨセフ・タルの写真。これも "https://joseftal.org" より。




主な参考記事は下記。

✏️ヨセフ・タル(Wikipedia)

✏️Josef Tal(Wikipedia /英語)

✏️List of compositions by Josef Tal(Wikipedia /英語)

✏️JOSEF TAL(https://joseftal.org:公式サイト?)


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