バッハ以前の鍵盤音楽史 9人目の作曲家は、ジャック・シャンピオン・ド・シャンボニエール(Jacques Champion de Chambonnières, 1601-1672)
。
フランスのバロック初期の作曲家、クラヴサン奏者。クープラン、ラモーに至るフランスのクラヴサン楽派の創始者であると考えられている。
シャンボニエールは、クラヴサンのヴィルトゥオーソとして高く賞賛された。彼は自宅で申し込み制の演奏会を開いていた。王宮や貴族と関係のない、このような個人的な演奏会はフランスでは初めてのことと思われる。
彼は、大クープラン(フランソワ・クープラン)の伯父であるルイ・クープランを見出したり、ジャン=アンリ・ダングルベールやジャック・アルデルを育てるなど、フランスのクラヴサン楽派の基礎を築いた。
シャンボニエールの作風は、リュート曲をクラヴサン用に書き換えて演奏することから始まったフランスのクラヴサン音楽が、クラヴサン独自の特徴を活かした音楽に変わっていく過渡期に当たっている。
シャンボニエールの作品は、晩年(1670年)に、貧窮のため王室の恩恵によって出版した 2冊の「クラヴサン曲集」やいくつかの写本に残されている。
「クラヴサン曲集」の第1巻には「Am、C、Dm/D、F、Gm/G」の 5つ、第2巻には「C、Dm、D、F、Gm、G」の 6つの「組曲」が収められている。
写本の中で重要なのは「ボーアン写本」"Bauyn Manuscript" で、第1巻にはシャンボニエール、第2巻にはルイ・クープランの作品が収められている。
以上、主な出典は下記。
シャンボニエールの作品の全体像、代表作品を知りたいと思って調べたが、よく分からなかった…(^^;)。ただ、全集的な CD も出ているようで、その解説記事(↓)が参考にはなるかも知れない。
✏️シャンボニエール:クラヴサンのための出版作品全集+手稿譜による小品集(CD Journal)
YouTube(と Spotify)でいくつかの音源を聴いたが、結局この演奏(↓)がわりと良くて、たぶん代表的な曲を集めたものになっているのではないか?…と思った。
フランツ・シルヴェストリ(Franz Silvestri)という人の演奏で 8つの組曲が収録されている。
ちょっといい感じの曲も多いのだが、ただ突出していいなぁ…と思う作品には出会えなかった…というのが個人的な感想。どちらかというと、短調の曲にいいものがあると思う。
元の CD はこれ(↓)で、収録曲は下記の通り。
✏️シャンボニエール:クラヴサン組曲集(シルヴェストリ)(NAXOS)
組曲 ハ長調
Allemande 'Le Moutier'
Allemande
Courante
Autre Courante
Sarabande
Gigue 'La Verdinguette'
組曲 ニ長調(ボーアン写本)
Allemande 'La Mignonne'
Courante
Sarabande
Gigue
クラヴサン曲集 第1巻 - 組曲第3番 ニ短調
Allemande
Courante
Sarabande
Pavanne
組曲 ヘ長調(ボーアン写本)
Allemande
Courante
Sarabande
Chaconne
Brusque
組曲 ト長調(ボーアン写本)
Allemande
Courante
Sarabande
Menuet
Chaconne
クラヴサン曲集 第1巻 - 組曲第5番 ト短調
Allemande 'L' Affligee'
Courante
Sarabande
Pavanne 'L' Entretien des dieux'
Gigue
組曲 変ロ長調
Allemande
Courante
Sarabande
Gaillarde
クラヴサン曲集 第1巻 - 組曲第1番 イ短調
Allemande 'La Rare'
Courante
Sarabande
Drollerie
Gigue
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