ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(RCO: Royal Concertgebouw Orchestra)のビデオサイトが無料になったというニュース(↓)を見て、ついでに聴いてみた、エマニュエル・アックスの弾くベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番がとても良かった ♪ という話。
エマニュエル・アックス(Emanuel Ax、ポーランド、1949年〜)は以前から知っているピアニストで、やや地味な印象があったのだが、このベートーヴェンを聴いてかなりお気に入り度がアップした。(プロフィールはこちら)
そもそもは、RCOのビデオサイトがどんな感じ(ビデオの品質など)かな?と思って、ちょっとだけ聴いてみるつもりだった。
ところが、最初に見つけたエマニュエル・アックスが弾くベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番を聴き始めると、それが素晴らしくて、つい最後まで聴いてしまったのだった…(^^)♪
音楽的にとても豊かな演奏というのか、これぞ「音楽」という感じ。オーケストラとの息もピッタリ。ロイヤル・コンセルトヘボウのオーケストラの響きもなかなか良かった。
とりわけ素晴らしかったのが多彩で表現力豊かなピアノの音。場面に応じてそのフレーズにあったタッチを縦横無尽に繰り出す。それが音として美しいだけでなく、音楽の語り方としてとても魅力的な説得力を持っている。
オーケストラとピアノのバランスも非常に洗練されている。オケとピアノが一緒になる合奏部分もあり、ピアノが主張する部分もあり、そのメリハリが気持ち良い。
管楽器とのかけあい、ソロ部分の存在感(カデンツァの迫力はすごかった)、ソロからオーケストラが入るあるいはオーケストラの伴奏にピアノが滑り込むところ、どれ一つ取っても完璧なアンサンブルである。上質な室内楽がそのままスケールアップしたような感じ…♪
最近、コンチェルトというとピアノコンクールのファイナルぐらいしか聴いていなかったので、久しぶりに本物のコンチェルトを聴かせてもらったという感じだ。(コンクールも「コンクール弾き」ではない、こういう味のある演奏を評価した方がいいと思うのだが…)
ところで、「RCOビデオ」であるが、映像はあまりよくないが、音はパソコン+イヤホンで聴くには十分だと思う。通信能力がやや弱いのか、演奏が始まるまでに少し時間がかかるのは難点だが、演奏が始まってからはとくに問題はなかった。
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団のサイトなので、オーケストラ作品が多いのは仕方ないだろう。ピアノ協奏曲を検索してみると、6つくらいしか見つからなかった。それでも、どれも一度は聴いてみようと思えるラインナップ(↓)だ。
- ベートーヴェン第1番(ラルス・フォークト、2014年3月)
- ベートーヴェン第2番(クリスティアン・ベザイデンホウト、2012年12月)
- ベートーヴェン第3番(エマニュエル・アックス、2013年9月)
- ショスタコーヴィッチ第1番(ユジャ・ワン、2014年9月)
- ラフマニノフ第3番(アレクサンダー・ガヴリリュク、2013年3月)
- バルトーク第3番(イェフィム・ブロンフマン、2013年8月)
N響なんかも、こういうサービスをやってくれたら…と思うのだが…。
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