2015年12月10日木曜日

米国のコンサートに一番登場するピアニストは?

昨日の記事で紹介した米国のオーケストラが2015-2016年シーズンに演奏する曲目のデータの続きである。

元の記事をよく見ていたら、生のデータがダウンロードできるようになっている。ちょっと興味があったので、ピアノ作品をとりあげた演奏会だけを抜き出して見てみた。

米国内のコンサートだけなので、かなり偏っている気もするが、いくつかの統計データ?(カウントしただけ…)をご参考までにご紹介する。




まず気になったのが、どんなピアニストが一番多く出演しているかということ。まとめてみると上の図のような結果になった。

エマニュエル・アックスとかダニール・トリフォノフとかは、まぁそうなんだと思いつつも、やや意外な結果となった。まだまだ知らないピアニストがたくさんいることも改めて認識した。

もっと多いだろうと思っていたピアニストでいうと、ラン・ランが7回(のべ演奏回数11回)、ユジャ・ワンが4回(のべ11回)である。その他では、アンドラーシュ・シフが2回(のべ6回)、内田光子さんが1回(のべ3回)といったところ。

今年のショパンコンクールで4位になったエリック・ルー(Eric Lu、米国)君も1回(のべ3回)登場する。モーツァルトの協奏曲第23番を演奏するようだ。


ピアノ作品だけで、演奏回数の多い作曲家を順に並べてみると、当然だが全作品での順番とは少し違ってくる。数字は演奏会の回数、カッコの数字は全作品での順位。

1. Beethoven 63 (1)
2. Rachmaninoff 52 (5)
3. Mozart 46 (2)
4. Brahms 28 (3)
5. Ravel 23 (6)
6. Gershwin 19 (-)
7. Tchaikovsky 17 (4)
8. Grieg 16 (-)
9. Saint-Saëns 14 (-)
10. Prokofiev 13 (-)

ちなみに、ベートーヴェンだけ作品別の演奏会回数を見てみた。まぁそうだろう、という結果である。

1. ピアノ協奏曲第5番 23回
2. ピアノ協奏曲第4番 12
3. ピアノ協奏曲第3番 11
4. ピアノ協奏曲第1番 10
5. ピアノ協奏曲第2番  4
6. ピアノ、ヴァイオリン、チェロのための三重協奏曲 1
7. 合唱幻想曲 1


存命中の作曲家となると、ほとんどの作曲家は名前を聞いたことがない。知っているのはダニール・トリフォノフとファジル・サイくらいである。それもピアニストとして…。



この表で、作曲年が2016年となっているのは、演奏会までには作曲するということなんだろう。ピアニストもオーケストラも練習時間は足りるのだろうか…?

そういえば、浜松国際ピアノコンクールでも新作のピアノ曲を3カ月で練習して、みんな暗譜で弾いていた。大したものだ。そうでなくては、きっとプロは務まらないのだろう。



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