音の探求に関するいくつかの助言。
(1) 重要なのは鍵盤に触れる指先だが、手首から肩・背中にいたるすべてがうまく組織化されている必要がある。
(2) 音の多様性を得るための簡単な練習。
譜例1:2~5音の和音で p と f を弾き分ける。
いくつかの調性で。
譜例2:いくつかの調整で、テンポを変えて、
スタカート/レガートを組合わせて。
譜例1 |
譜例2 |
(3) ポリフォニー的音楽の練習:一つの声部を f (マルカート)で、他を pp でと誇張して弾く。
(4) メロディーを伴奏に対して際立たせる練習:(3) と同様の「誇張法」で。
(5) クレッシェンドの頭は p で、ディミヌエンドの頭は f で弾く。
(6) タウジヒ(著名なピアニスト)はコンサートのあと、家で同じ曲を非常に静かに、速くない弾き方で演奏していた。(時折そういう弾き方をまねてもよいのでは)
(7) 音の持続性がないというピアノの特性から、メロディやパッセージのニュアンス付けは、より表現豊かに「誇張」されなくてはならない。
(8) 指や手の動きは、聴覚の要求や音の意図するところと完全に呼応する必要がある。優美でしみじみとした音を得るには、鍵盤を非常にインテンシヴに深く押さえる(最小限のhで)必要がある。大きく開放的な音を得るには、打鍵動作の全振幅を利用する。
(9) 正しいペダルの必要性 →ペダルの章参照。
(10) 音の〈多重構造〉を創り出すこと。ポリフォニーの各声部、メロディー/バス/中声部の引き分けなど。5指の強化、聴覚とタッチの訓練など。
(11) 音価の長い音符は、それに従属する短い音符より強めに弾くこと。(ピアノの持続性)
(12) オクターブや和音で1指が強すぎないように。(※練習方法は高度なため割愛)
(13) オクターブや和音で余分な音が出る場合は、弾かない指の鍵盤からの距離を意識すること。(12項とともに手の小さな人はとくに)
(14) 自分自身の独自の響きを身につけること(?)。
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●考察
(2)の練習方法と、(3)(4)の「誇張法」は取り入れてみようと思う。
(6)のゆっくり丁寧に弾いてみる方法は、ミスを減らす効果があるのではないかと思った。これも、少し試してみたい。
(10)は出来ると素晴らしいと思うのだが、まだまだ先のことである。精進あるのみ!
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