《鍵盤音楽史:現代》 45(+2)人目の作曲家は、細川 俊夫(日, 1955-)。
8年前に児玉桃さんのリサイタルで初めて知った作曲家。このときは 6曲のエチュードを聴いたのだが、演奏が良かったこともあり、とても面白いと思った ♪
細川俊夫は 1955年、広島生まれ。1976年から10年間ドイツ留学。ベルリン芸術大学でユン・イサンに、フライブルク音楽大学でクラウス・フーバーに作曲を師事。
1980年、ダルムシュタット国際現代音楽夏期講習に初めて参加、作品を発表する。以降、ヨーロッパと日本を中心に、作曲活動を展開。日本を代表する作曲家として、欧米の主要なオーケストラ、音楽祭、オペラ劇場等から次々と委嘱を受け、国際的に高い評価を得ている。
2021年現在、武生国際音楽祭音楽監督、東京音楽大学およびエリザベト音楽大学客員教授。2020/21年、広島交響楽団のコンポーザー・イン・レジデンス。
ピアノ関連作品は以下の通り。出典✏️細川俊夫 作品情報(ショット・ミュージック)
ピアノソロ
- メロディア II(1977)
- 夜の響き(1994/1996)
- ピエール・ブーレーズのための俳句(2000/03)
- エチュード I〜VI(2011-2013)
- 2 つの線 *1
- 点と線
- 書(カリグラフィー)、俳句、1 つの線
- あやとり、2 つの手による魔法(呪術)、3 つの線
- 怒り
- 歌、リート
- 舞い(2012)
- 喪失(2019)
*1 2011年第58回ブゾーニ国際ピアノコンクールの本選課題曲として作曲され、2012年に改訂
協奏曲
- ピアノ協奏曲「海へ」 Ans Meer (1999)
- 月夜の蓮 Lotus under the Moonlight (2006)
- 沈黙の海 Silent Sea (2002):ピアノ、弦楽オーケストラ、打楽器のための
室内楽
- 断層 Dan-sô (1984):ヴァイオリン、チェロ、ピアノのための
- 時の谷間に… Im Tal der Zeit ... (1986):弦楽四重奏とピアノのための
YouTube で「エチュード I〜VI」の演奏を探したのだが、あまり音源がない。一つだけわりと気に入った演奏があった。エチュード I「2 つの線」の 1曲だけ。
弾いているのは Antonii Baryshevskyi(アントニー・バリシェフスキー、1988-)というウクライナのピアニスト。2011年のブゾーニ国際ピアノコンクールで 1位なしの 2位、2014年のルービンシュタイン国際ピアノコンクールで 1位(このときの 3位はチョ・ソンジン)になっている。
ピアノ協奏曲では、「海へ」(Ans Meer)と「月夜の蓮」(Lotus under the Moonlight)の音源があり、どちらもそれなりにいい感じだと思う。…のだが、何となくつかみどころがない…という印象がなくもない。
ピアノ:Bernhard Wambach
ピアノ:児玉桃
ちなみに、「月夜の蓮」は、モーツァルトの「ピアノ協奏曲第23番」へのオマージュとして作曲されたもので、曲中に聴き慣れたフレーズがふと浮かんだりする ♪
ソロ曲の音源になかなかいいものが見つからない中で、面白い CD を見つけた。児玉桃さんが、ドビュッシーと細川俊夫のエチュードを交互に弾いているもの。
曲順は違うが、昔リサイタルで聴いたのと同じ曲目だ。Spotify で全曲聴いたが、やはり演奏がいいと聴き応えがある ♪
『点と線』Point and Line(ビュッシー&細川俊夫:練習曲集)
曲順は必ずしも番号順ではない。例えば最初の 6曲はこんな感じ(↓)。
- ドビュッシー:組み合わされたアルペジオのために(第11番)
- 細川俊夫:点と線(II)
- ドビュッシー:4度のために(第3番)
- 細川俊夫:書(カリグラフィー)、俳句、1つの線(III)
- ドビュッシー:6度のために(第4番)
- 細川俊夫:2つの線(I)
:
✏️点と線 ドビュッシー&細川俊夫:練習曲集(Tower Records)
主な参考記事は下記。
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