《鍵盤音楽史:現代》 43(+2)人目の作曲家は、西村 朗(日, 1953-)。
西村朗の名前を知ったのは 8年前(2014年)、現代日本人作曲家のピアノ曲を探索していた頃である。「カラヴィンカ」という曲を聴いてちょっといいな ♪…と思った。
西村 朗は 1953年、大阪市生まれ。東京芸術大学・同大学院修了。池内友次郎、矢代秋雄、野田暉行、間宮芳生に師事。在学中より、西洋の前衛的な作曲技法を学ぶ一方で、アジアの伝統音楽、宗教、美学等に強い関心を抱く。
そこから導いたヘテロフォニー(同一旋律を複数の声部で自由に奏することにより、音程やリズムにずれを生じた状態)の書法は、今日の西村を特徴づける作曲技法となった。内容としてはアジアや宗教を意識したものが多く、それは作品タイトルにも反映されている。
日本音楽コンクール優勝、エリザベート国際音楽コンクール大賞、ルイジ・ダッラピッコラ作曲賞、尾高賞、中島健蔵音楽賞など、多数の受賞歴がある。
2000年よりいずみシンフォニエッタ大阪の音楽監督、2010年より草津夏期国際音楽祭音楽監督。2019年2月には、新国立劇場6年ぶりとなる創作委嘱作品・世界初演「紫苑物語」が大野和士の指揮で上演される。現在、東京音楽大学教授。
※追記@2023/09/21:
9月7日、右上顎(じょうがく)がんのため逝去、69歳。ご冥福をお祈りします。
✏️【追悼】作曲家 西村朗 69歳(Tower Records)
ピアノ関連作品は以下の通り。出典✏️西村 朗 作品目録2021(pdf/ 全音)
ピアノソロ作品
- ピアノ・ソナタ :1972
- トリトローペ (三つの旋律系) : 1978
- ペンギン組曲 :1983, Rev.1989
- 法悦の鐘 : 1987
- ビコーズ :1991
- 星の鏡 :1992
- 三つの幻影 ピアノのための :1994
- 水
- 炎
- 祈祷
- 静寂と光 ~秋山邦晴氏の思い出に~ ピアノのための :1997
- オパール 光のソナタ :1998
- タンゴ :1998
- 夢魔(むま) :1999
- 夜光 :1999
- トッカータ:2000
- ヴィシュヌの化身 :2001
- マツヤ(魚)
- クールマ(亀)
- ヴァラーハ(猪)
- ヌルシンハ(人獅子)
- ヴァーマナ
- カルキン
- アリラン幻想曲 ピアノのための :2002
- 夜の呪文 :2003
- 薔薇の変容 :2005
- パガニーニによる二つのロンド :2006
- 神秘の鐘 :2006
- 薄明光
- 間奏曲
- 霧の河
- カラヴィンカ :2006
- スケルツォ・イン・D :2006
- 光の雫 :2007
- 白昼夢 :2009
- 炎の書 ピアノ・ソロのための :2010
- サファイア :2019
2台ピアノのための作品
- 波うつ鏡 :1985
- 八手のための舞曲 :1987
- 水の詩曲 2台のピアノのための :1996
協奏曲
- ピアノ協奏曲第1番〈紅蓮〉 :1979
- ピアノ協奏曲第2番 :1982
- 二重奏協奏曲〈光の環〉ヴァイオリン、ピアノとオーケストラのための :1991
- ピアノ協奏曲〈シャーマン〉 :2004
- ピアノ協奏曲〈クロッシングA・I〉 :2016
室内楽・室内オーケストラ等
- 2台のピアノと管弦楽のヘテロフォニー :1987
- 断片と反響 ピアノ三重奏のための :1996
- 流れ~闇の訪れた後に(ピアノと室内オーケストラ) :1997
- ヴィシュヌの臍 ピアノと室内オーケストラのための :2010
- 星の鏡 ピアノと室内オーケストラのための :2010
YouTube で、以前気に入った音源から聴いてみた。
悪くないが、なぜか昔聴いたときに感じたほどの「いいな ♪」感はない…。
他の音源もいくつか聴いてみたが、一つには質のいい音源が少ないようで、残念ながらこれといって気に入った演奏は見つからなかった。
「ヴィシュヌの化身 クールマ(亀)」と同じ作品の中の一曲「マツヤ(魚)」で同じピアニスト(野村祥子)の演奏があり、これはちょっと面白いと思ったが…。
ピアノ協奏曲も聴きたくて探したが、YouTube では一つの音源も見つからず。
今年の 2月に小菅優さんがいずみシンフォニエッタ大阪との共演でピアノ協奏曲〈シャーマン〉を弾いたときの解説動画はあった。…のだが、作品そのものを聴きたかった…(^^;)。
…という訳で、期待して聴き始めたのだが、残念ながら音源が少なく、今回の現代ピアノ曲探索はあまり収穫のないものとなってしまった…残念😢。
主な参考記事は下記。
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