✏️ジャン・チャクムル(Can Çakmur)、トルコ出身の新世代ピアニストが語る“国境なきピアノ曲”と現代の感覚(Mikiki:写真もここからお借りした)
ジャン・チャクムルくんが浜松国際ピアノコンクールで優勝したときは、実は、個人的にはそれほど注目していなかった…(^^;)。
もちろん、ピアノは上手だし音もきれいだったのだが、何かもう一つ物足りない印象だったのだ。ただ、あの笑顔と同じで、演奏の好感度は高かったように思う。
※修正@2022/11/15
ジャン・チャクムルくんが、2021年に ICMA賞(国際クラシック音楽賞)のヤング・アーティスト・オブ・ザ・イヤーを受賞したのは、「リスト : シューベルトの『白鳥の歌』」という CD でした。失礼しました。(Verde*Antalya さん、ご指摘ありがとうございました ♪)
なお、この CD もとてもいいので YouTube のプレイリストを載せておきます。
使用ピアノは「シゲル・カワイSK-EXコンサート・グランド」。
- バルトーク:ピアノソナタ Sz.80
- ミトロプーロス:パッサカリア、間奏曲とフーガ(1924)
- サイグン:ピアノソナタ Op.76
- エネスコ:ピアノソナタ第3番ニ長調 Op.24-3
しかも、選曲がいい。…というか、バルトーク、エネスコ(エネスク)以外は初めて聞く作曲家だし、バルトークとエネスクにしてもよく知っている曲とは言えないのだが…(^^;)。
でも、聴いてみて、どれも聴き応えのある名曲だということがすぐに理解できた。それは、たぶんチャクムルくんの演奏の力によるものだろう。
解説記事から抜粋しておく。
「いずれも興味深い曲で、バルトークのピアノ・ソナタのような名作や、リパッティの名録音で知られるエネスコのピアノ・ソナタ第3番をチャクムル最新の若さはじける演奏で聴ける…」
「…大指揮者…ミトロプーロスはピアノの名手としてプロコフィエフやクレネクの協奏曲を弾き振りで録音したほか、ブゾーニ門下の作曲家としても先鋭的感覚の作品を残しています。『パッサカリア、間奏曲とフーガ』はベルリン国立歌劇場でエーリヒ・クライバーの助手を務めていた時期の作で、複雑な技法に驚かされます」
「…チャクムル同郷の…アフメド・アドナン・サイグン[1907-1991]…はトルコ最大の作曲家で、バルトークのように自国の民俗音楽を研究して作品に採り入れました。ピアノ・ソナタは4楽章23分の大作で、死の数日前に完成した最後の作品。民俗音楽を見事に昇華させていますが、さすがチャクムルはそれを肌で理解し、最高の説得力豊かな世界を語っています」
YouTube で聴けるのは、バルトークのソナタの第1楽章とエネスクのソナタの第2楽章。バルトークは若々しく躍動し、エネスクはどこまでも美しい。
♪ “Without Borders” - Can Cakmur plays Enescu Sonata Op. 24 No. 3 2nd Movement
アルバム全曲は Spotify で聴いたのだが、あとで YouTube にもアルバム全曲が入ったプレイリストがあるのを見つけた。なぜかバルトークの第1楽章だけは上の動画と同じだが…。
♪ Without Borders(プレイリスト)
ミトロプーロスの「フーガ」もちょっと面白い ♪
今後のジャン・チャクムルくんにはちょっと期待できそうだ ♪
アフメド・アドナン・サイグンという作曲家は、あとで《鍵盤音楽史:現代》に追加しようと思う。ミトロプーロスやエネスクについても少し探索したい。色々と楽しみが増えた ♪
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