2022年6月15日水曜日

🎹A.ヒナステラ 1916-1983 どうも私の好みではないようだ…

《鍵盤音楽史:現代》 14人目の作曲家は、アルベルト・ヒナステラ(Alberto Ginastera, アルゼンチン, 1916-1983)。

この現代作曲家の探索は年代順(生まれた年の早い順)に調べているが、ヒナステラは最近追加したので、少し年代が戻っている。ヒナステラはデュティユーと同じ1916年生まれ、その 3年後にヴァインベルク(1919年生まれ)が続く。




ヒナステラの名前は以前から知っていて、たまに演奏しているピアニストもいるので、何度かは聴いているはず。…なのだが、南米系の現代音楽?みたいな印象しかない…(^^;)。

…で、今回あらためてピアノ作品を一通り聴いてみたのだが、残念ながらこれといって気に入った曲にも出会えず…。ピアノ協奏曲などは 2曲とも、私の嫌いな「現代音楽」の雰囲気が強過ぎてついていけない感じ….

これは、もう「好み」「嗜好」の問題なのだと思う。


アルベルト・ヒナステラは、ブラジルのヴィラ=ロボス、メキシコのチャベスやポンセらと並び、ラテンアメリカでもっとも重要なクラシック作曲家の一人。

ブエノスアイレス音楽院を卒業。1945年から1947年にかけてアメリカ合衆国を訪れ、アーロン・コープランドにタングルウッド音楽センターで学んだ。その後ブエノスアイレスに帰り、そこで作曲家協会を共同で設立した。1968年にアメリカへ戻り、1970年からヨーロッパに移住。ジュネーヴで 67年の生涯を終えた。


アルゼンチン音楽の影響下に、オスティナート語法をふんだんに用いた明快な作風で知られる。…と Wikipedia には書いてあるが、個人的には「明快」さは感じなかった。

その後は次第に原始主義的・無調的な作風に移行し、最終的には十二音技法や微分音も用いた。このあたり、本人が自身の音楽を 3つの時期(↓)に分類しているそうだ。

  1. 客観的愛国心:アルゼンチン民謡を直接用いた曲
  2. 主観的愛国心:1948年〜、アルゼンチンの個性が残る
  3. 新表現主義:1958年〜 、より近代的な作風


ピアノ関連作品を作曲年代順に並べてみた。

  1. 1934 童謡小品集(子どものための小品集) Piezas infantiles
  2. 1937 アルゼンチン舞曲集 Danzas argentinas Op.2
  3. 1937 アルゼンチン風協奏曲 Concierto argentinos(ピアノと管弦楽のための)
  4. 1938 ミロンガ Milonga
  5. 1940 3つの小品 Tres piezas Op.6
  6. 1940 マランボ Malambo Op.7 
  7. 1944 12のアメリカ大陸風前奏曲集 Doce Preludios americanos Op.12
  8. 1946 組曲『クレオール舞曲集』 Suite de danzas criollas Op.15
  9. 1947 アルゼンチン童謡の主題による『ロンド』 Rondo sobre temas infantiles argentinos Op.19
  10. 1952 ピアノソナタ 第1番 Op.22
  11. 1961 ピアノ協奏曲 第1番 Op.28
  12. 1963 ピアノ五重奏曲 Op.29
  13. 1970 ドメニコ・ツィポーリのトッカータ Tocata de Domenico Zipoli
  14. 1972 ピアノ協奏曲 第2番 Op.39
  15. 1981 ピアノソナタ 第2番 Op.53
  16. 1982 ピアノソナタ 第3番 Op.54
  17. ???? 子どもたちのためのアルゼンチン舞曲集 Danzas argentinas Para los ninos


YouTube で聴いた主な音源。

ソロ曲は「ピアノ曲全集」の音源があったので、それを聴いた。ピアニストはマリアンジェラ・ヴァカテッロ(Mariangela Vacatello、イタリア、1982-)という人。


元の CD はこれ(↓)のようだ。



収録曲は下記。

  1. アルゼンチン舞曲集Op.2
  2. 3つの小品Op.6
  3. マランボOp.7
  4. 12のアメリカ風前奏曲Op.12
  5. クレオール風舞曲の組曲Op.15
  6. アルゼンチンの童謡によるロンドOp.19
  7. ピアノソナタ第1番Op.22
  8. 子どものためのアルゼンチン舞曲集
  9. 子どもの小品
  10. ミロンガ
  11. エスタンシアからの3つの舞曲
  12. トッカータ
  13. ピアノソナタ第2番Op.53
  14. ピアノソナタ第3番Op.54


ピアノ協奏曲は 2つある。残念ながら二つとも好みではない。第1楽章が「カデンツァ+変奏」という独特の形式となっているのがちょっと面白い。




ピアノ曲以外では、ヒナステラの代表曲と言われている組曲「エスタンシア」"Estancia" Op.8(原曲はバレエ音楽)も聴いてみた。これは楽しくてなかなかいい ♪

管弦楽だが、多くの打楽器とピアノが加わっている。



主な参考記事は下記。
✏️Alberto Ginasteraのピアノ曲リスト(中南米ピアノ音楽研究所)

✏️ヒナステラ(PTNAピアノ曲事典)



0 件のコメント: