そんな中で、優勝候補のティアンス・アン(と個人的には思っていた…)の敗因?の一つが、グバイドゥーリナの「シャコンヌ」という選曲(現代ピアノ曲)にあるのでは?…と何となく思っていて…。
そういえば、最近のピアノコンクールで現代ピアノ曲はどれくらい取り上げられているのだろう?…というのが気になってチェックしてみた。
ちなみに下記はセミファイナリストの 12人。
Stephen Hough の "Fanfare Toccata" は課題曲なので、それ以外の現代曲を、プレリミナリーからセミファイナルまでのプログラムからピックアップして並べてみた。年代順は、調べるのが面倒なのでアルファベット順…(^^;)。
「:」の後はその曲を選んだコンテスタントの名前。人気度を見るために同じ曲でもそのまま重複して挙げてある。
- ADAMS China Gates:Honggi Kim
- BARBER Sonata for Piano, op. 26:Honggi Kim
- BERG Piano Sonata, Op. 1:Masaya Kamei
- GINASTERA Sonata No. 1, op. 22:Ziyu Liu
- GINASTERA Sonata No. 1, op. 22:Dmytro Choni
- GINASTERA Danzas Argentinas, op. 2:Albert Cano Smit
- GUBAIDULINA Chaconne:Tianxu An
- GUSEV Toccata No. 1:Arseniy Gusev
- KAPUSTIN Concert Etudes, op. 40, nos. 1, 2, 6, 7, 8:Francesco Granata
- KARAMANOV Variations for Piano:Denis Linnik
- LIEBERMANN Gargoyles, op. 29:Clayton Stevenson
- LIGETI Etude No. 13 “L’escalier du diable”:Denis Linnik
- LIGETI Etude No. 13 “L’escalier du diable”:Yutong Sun
- LIGETI Etude No. 13 “L’escalier du diable”:Albert Cano Smit
- LIGETI Etude No. 15 “White on White”:Albert Cano Smit
- MESSIAEN Vingt Regards sur l'Enfant-Jésus 10. Regard de l'Esprit de joie (Contemplation of the joyful Spirit):Sergey Tanin
- SHOSTAKOVICH Sonata No. 1, op. 12:Vitaly Starikov
- TAKEMITSU Rain Tree Sketch II:Georgijs Osokins
- VINE Five Bagatelles:Yutong Sun
15人(半数)のコンテスタントが現代曲を取り上げている。多いのか少ないのかはよく分からないが、個人的な印象としてはもっと多くてもいいのでは?…と思った。
こうしてみると、リゲティとヒナステラあたりが人気のようだ。リゲティのエチュード(とくに 13番)は、少なくともコンクールでは定番曲になっている?
ヒナステラもリサイタルなどでもときどき見かけるような気がする。
ちなみに、Yutong Sun がセミファイナルのプログラムで取り上げているボリス・リャトシンスキー(Boris Lyatoshynsky、ウクライナ、1895-1968)のプレリュード op. 38-3 と op. 44-4 も現代曲と言っていいだろう。
上の一覧表はとりあえず「1900年以降に生まれた作曲家」に限定してある。
現在、個人的に《鍵盤音楽史:現代》を勉強中で、51人の作曲家のピアノ作品を順次聴いているところなのだが、上のリストの中でヒナステラ、グバイドゥーリナ、カラマーノフ、GUSEV の 4人がその 51人に入っていない。
ピアノコンクールに取り上げられるほどの曲なので、追加せざるを得ないかな? ただし、"GUSEV" というのはコンテスタント本人(Arseniy Gusev)のようなので除外させて戴くことにする…(^^;)。
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