「バレンボイムの演奏を真似るとしたらどんな点が考えられるだろう?」と考えたときの「どんな点」というのは、音楽の「パラメータ」と似ているのでは?…ということ。
音楽の「パラメータ」というのは音楽の構成要素のようなもの。例えば、リズム、デュナミーク、アーティキュレーション、テンポ、音色といったものである。
ピアノを練習するときに、まずはそれぞれのパラメータに注目してよく聴くこと。そして弾くときにも、注意を向けるパラメーターを替えて、パラメーターごとに練習する、というやり方である。
この考え方・練習方法は『楽譜を読むチカラ』という本に書いてあったのだが、読んだときは「目からウロコ」の思いであった。
ちなみにこの『楽譜を読むチカラ』という本は、チェリストのゲルハルト・マンテル氏が書いたものだが、久保田慶一氏(国立音楽大学教授)が日本語訳にするときに、ピアノの視点や作品例を大幅にとり入れてあり、ピアノ学習者にもとても参考になる本だ。
前回記事で、バレンボイムの演奏を真似する練習方法?を考えたときに、「真似するポイント」として次のようなものをあげた。
- 曲全体の雰囲気・イメージ
- 曲全体の構成(盛り上げる場所、最後の収め方等)
- 強弱のつけ方
- フレージング(難しそう…)
- それぞれの箇所で際立たせる声部(できる範囲で…)
- タッチ(さすがにこれは無理か…)
全体的なものやイメージのようなものもあるが、例えば 3. は「デュナミーク」であるし、6. は「アーティキュレーション」とか「音色」につながるものと考えられる。
ということで、プロの演奏を「真似する練習方法」を、自分なりの練習の一つの形としてとり入れたいと、少し本気で考え始めたところである。やり方としては「パラメータ」ごとに一つ一つアプローチすること。
ただ、これを実践する上で一つの課題となるのが「聴きとるチカラ」だと思われる。
バレンボイムなどの演奏を聴いても、例えばその「音色」や「アーティキュレーション」がどうなっているのか、他の演奏との違いや特長を聴きとることができなければ、そもそもこの練習方法は成り立たない。
また、自分が弾いて練習するときも、弾いた音を聴きとることができなければ、そもそもお手本の演奏に近づけたのかどうかさえ判断できない。
弾きながら自分の音を聴くのは、あまり得意な方ではないので、以前やっていた「録音」してチェックするというのを復活する必要があるかも…(^^;)。
まぁ…しばらくは、この練習方法が私に合っているかどうか、ピアノの上達につながるかどうか、自分を実験台にして試してみようと思っている。
「聴きとるチカラ」は何とかなったとしても、次に立ちはだかる壁は「真似するチカラ」つまりはピアノ奏法の基礎的な能力など…のような気もしているが、そちらの方にはまったく自信がない…。
無理なら、練習時間の前にお手本の演奏を何度か聴くだけでもいいかも知れない…(^^;)?
おまけ。『楽譜を読むチカラ』に関する読書メモと感想記事は下記。ご参考まで。
ゲルハルト・マンテル 著、久保田 慶一 訳
音楽之友社 (2011/11/12)
*読書メモ*
目次・パラメーターを聴こう
リズム・強弱・アーティキュレーション
音色・テンポ・自分らしさ
演奏のしくみ・特徴・変化
自分らしい演奏を求めて
*感想記事*
《『楽譜を読むチカラ』チェロ奏者からピアノ練習のヒント ♪》
《『楽譜を読むチカラ』からピアノ練習のヒント♪その2》
《『楽譜を読むチカラ』から「いい演奏」のヒント ♪》
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