1カ月ほど練習してきたドビュッシー「ピアノのために」の〈サラバンド〉、一応の目標としていた最終日を迎えてしまった。が、状況としてはまだまだである。
ひととおり暗譜はできた。難所でつまづき止まりながらではあるが、通して弾くこともかろうじてできるようにはなっている。とはいえ、難所だけではなく、曲全体が和音の連続(しかもドビュッシーらしい和音!)でできているので、とても「弾ける」状態にはなってない…。
ただ、明るい材料もある。連続和音の弾き方のコツのようなものが何となくつかめそうなのだ。
いろいろとやってみて、結局は今までに勉強してきたことの適用と応用でしかないのだが…(^^;)。頭で理解したつもりのことを、実際に曲の中で実践することの難しさ…ということなのだろう。
今後のためにも「コツのようなもの」を整理しておこうと思う。まず、基本的な動きと意識を箇条書きにしてみると…。
- それぞれの和音を確実にいつも同じ指使いで押さえる
- 押さえたらすぐに脱力(場合によっては手首を上げる)
- と同時に次の和音をイメージする
- 素早くふわっと移動し次に押さえる和音の上に着地
- 打鍵は垂直に
ポイントは「次の和音をイメージ」することと「打鍵直前一瞬のポジショニング」である。これを速い動きの中でも常に意識することで、ミスの確率はかなり減ったと思う。
例えば、曲の冒頭(下記)の3連符、左右3音ずつで「①→②→③」と滑らかに移動するところ。
①をややスタカート気味に弾くと同時に、②の和音(キーと指の形)をイメージして、移動&ポジショニング動作を開始する感じである。②の打鍵と同時に③をイメージして…と続く。
もう少し音が多くて長い連続和音は、上記に加えていくつかの練習ポイントがあるように思う。例えば、相変わらず苦戦している下記の「難所1」。左右4音が7小節以上続く。しかも不協和音。
ここで、さらに工夫したのは下記のようなことである。
- 和音ごとの押さえやすい手首の角度(横方向)を決める
- 和音の移動のときにこの角度の移動も意識する
- 中間に「一段落する箇所」を設定する
和音を押さえるときの基本的なコツとして、押さえやすい指の形、手首の上下左右の角度を探すことがある。ここでの難所攻略のポイントの一つは、さらに「手首の角度を移動する」ことを意識的に行うことである。これで少し楽になったと思う。
「一段落する箇所」というのは、中間ゴールみたいなものである。上の楽譜で下の段に下降する音形がある。この最後の2小節は少し長いので、最後から2小節目の最後の和音を意識している。スタートと同じ和音で1オクターブ下の和音である。
ここで、見えない形で「一息ついて」次のフレーズに移るというイメージである。音としては続けて弾くのだが、あくまで気持ちの持ち方として…。これで、息が上がったりすることなく続けられるようになる(はずだ)。
…といった感じで、もう少しで何とかなるのではないか、という期待感が出てきた。なので、とりあえず1週間、期間を延ばすことにした。そのあとどうするかは、その時点で考えるつもりである。
それにしても、今回あらためて Graham Fitch 先生の Piano Lesson の的確さを実感した。和音で悩んでいる方は、一度ご覧になるといいのでは…。
参考:
和音以外のレッスンの紹介はこちら。
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