ヴェルビエ音楽祭で 19日に行われたツォトネ・ゼジニゼ君のソロリサイタルを medici.tv で聴いた。昨年に続き今回も素晴らしい演奏を聴かせてくれた ♪
今回のプログラムは下記。予定ではブラームスのソナタ第3番が入っていたはずだが、シューベルトの即興曲に変えたようだ。
- Tsotne Zedginidze, Fantaisie-Impromptu
- Franz Schubert, Four impromptus, Op. 90, D. 899
- Tsotne Zedginidze, Dedication to Claude Debussy and Maurice Ravel
- Maurice Ravel, Gaspard de la nuit, M. 55
- Tsotne Zedginidze, Prelude No. 2(アンコール?)
そのシューベルトの演奏がとても素晴らしくて驚いた。ツォトネ君というとどうしても現代曲というイメージがあるので、ちょっと意外だった。
でも、もともとピアノの音が美しく、フレーズの歌わせ方が上手なので、この演奏は当然なのかも知れない。
とても素直に弾いている印象なのだが、すべてのフレーズが(私の)イメージ通りというか、本当に心に染み入るような演奏になっている。
聴きながら、一つ思い出したことがある。それは、シューベルト自身のピアノの演奏に関する友人などからの感想だ。この記事(↓)に少し書いたことがある。
簡単に紹介すると…。
シューベルトのピアノの演奏は…友人などからは「清潔な演奏 reines Spiel」という評価を受けていた。それは「厳格なテンポ」と「音そのものの清潔さ」を意味している。
学友であったシュタードラーは、「(シューベルトは)美しいタッチで静かな手付きで、精神と感受性にあふれた透明な快い演奏をするのでした」という言葉を残している。
ツォトネ君の演奏はこれに限りなく近いのでは?…と思った ♪
ラヴェルの「夜のガスパール」も演奏としてはとても良かったのだが、この曲の不気味さみたいなものは、まだ十分には表現しきれていないように感じた。
まぁ、まだ若い(13歳?)ので、今はこれで十分なのかも知れない。音楽を作り出し何かを語ろうとする演奏にはなっていたと思う。
ツォトネ君自身の曲もとても充実したものになっている。ピアニストとしてだけでなく、現代作曲家としても今後を期待したい逸材だ。
ちなみに、昨年はまだ童顔の少年という感じだったのが、今年は少し大きくなったようで、そういう意味でも 1年の成長を感じさせるリサイタルだった…(^^)♪
なお、この演奏動画は今は medici.tv の無料アカウントで聴くことができるが、そのうち "for premium users" となると思われるので、プレミアム・アカウントをお持ちでない方は早めにどうぞ…(^^;)。
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