2023年7月17日月曜日

シドニー国際ピアノコンクール Finalist:Wynona Wang がいい感じ ♪

今回のシドニー国際ピアノコンクールは、とくに応援したいピアニストもいなかったので、ファイナリストが決まるまで待っていようと思っていた。

そのファイナリスト 6人が決まったので、セミファイナルのソロリサイタルをアーカイブ音源でざっと聴いてみた。




6人のファイナリストは下記。

Yungyung Guo
Jeonghwan Kim
Uladzislau Khandohi
Yuanfan Yang
Vitaly Starikov
Wynona Yinuo Wang



YouTube チャンネル(↓)の "Semi Finals Round 1" の動画から 6人の演奏を探して、少しずつ聴いてみた。


1曲目の冒頭を聴いて、もっと聴きたいと思えば聴き続けるし、好みでないと思えばそこで終わりにする…という聴き方で、結局最後まで演奏を聴いたのは一人だけだった。


その一人が中国出身の Wynona Yinuo Wang(1996- )。現在、ジュリアード音楽院のマスター課程に在学中のようだ。

他のコンテスタントが、今一つピアノの音が出ていない印象があった中で、彼女だけはピアノの音の響きが、小さな音も含めてきちんと出せていて、その音で魅力的な音楽が形作られ、色んな表現がこちらに伝わってくる感じがした。

多くの音が輻輳するような箇所でも、しっかり音楽の形が見える、というかすべての音がクリアで説得力があった。

ラヴェルの「クープランの墓」はもう少し硬い音の方が個人的には好みだが、多彩な音色を使い分けていて、これはこれでなかなかいい感じのラヴェルだと思った ♪


あと、他のコンテスタントの演奏では、全体的に「表現」に物足りなさを感じた。わざとらしさや、持って回ったような表現が目に(耳に)つくことが多く、その割には音として伝わってくる情報量が少ない…という感じだろうか…(^^;)?

結果的に「深み」のようなものが感じられない演奏が多かったように思う。


そういう中では、もう一人、Yuanfan Yang の演奏は、素直な弾き方で、聴いていて好感が持てた。イギリス出身(エジンバラ生まれ)の中国系のピアニストである。

ただ、個人的な好みから言うと、もう一つ何かが物足りない…という印象を受けた。でも、伸びしろがあるというか、可能性を感じさせる演奏ではあると思った。

さらに、彼は作曲もするようで、アルバム(↓)にも自作の曲を収録している。現代作曲家としても、ちょっと期待してみようかとも思う ♪



♪ Watercolour(アルバムプレイリスト)



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