酷い侵略戦争を続けているロシアで開催されたチャイコン(チャイコフスキー国際コンクール)が、いつの間にか終わっていて、結果が発表されていた。
今回の「入賞者」には殆ど意味を感じないが、興味本位でニュース記事を見てみた。
ピアノ部門の入賞者は上図の通り。ロシアの中に中国などが混じっている…という感じ?
上の記事で "Lone Brit" とあるのは 2位に入った George Harliono なのだが、もともとマツーエフのグランドピアノコンペからロシア繋がりのあるピアニストなのでとくに驚くことではないだろう。
それより驚いたのは、ヴァイオリン、チェロ、声楽(男性)で、韓国がロシア勢を押さえて優勝したこと。さらに、入賞者の数も多いこと。
チェロ部門の入賞者は面白い。1位から 6位まで「🇰🇷🇷🇺🇰🇷🇷🇺🇰🇷🇷🇺」となっている…(^^;)。
今回は結果にも入賞したピアニストにも興味はないのだが、どういう報道や記事が出ているのかはちょっと気になったので、ざっと見てみた。
淡々と結果を伝えたり韓国のことを取り上げる記事が多いのは、まぁ、そうだろう…。
コンクールへの参加については、はっきりと「今回のコンクールには出場すべきではなかった」と書いてある記事もある一方で、出場は「個人の判断」であり、人それぞれの置かれている環境や事情も異なるし、考え方も違うので…と、一定の理解を示している記事もある。
私個人の気持ちとしては、「個人の事情・判断」は尊重したいと思うけれど、今回の出場者たちに対して、少なくとも「尊敬の念」は持てないというのが正直なところ。
「音楽」や「ロシア音楽」に対する評価や愛情を理由に出場を正当化?するような人もいるようだが、それは違うと思う。
ロシア連邦政府とロシア連邦文化省が主催し、プーチンがメッセージを寄せるような「コンクール」と「ロシア音楽」とはまったく異なるものだ。
コンクールでの演奏(ファイナル)を聴いて「例年のようなハイエンドな最終ラウンドにはならなかったように感じた」という感想を書いている人もいた。
私は今回まったく聴いてないので実際のところは分からないが、この記事を書いた人の感想は「多分そうなんだろうなぁ」と思わざるを得ない。
2015年・2019年とこのコンクールを堪能させてもらった身としては、本当に残念なことではあるが、今回の(今後も?)チャイコンは 2019年以前のものとはまったく別物と考えた方がいいのかも知れない。
《TCH16/2019》(チャイコフスキー国際コンクール2019)
そして一つ気になるのは、メディアが相変わらず「世界三大音楽コンクールの一つ」というクリシェ(cliché、決まり文句)を無神経にも平然と使っていること。
この傾向は一般紙に多いような気がするのは気のせいかも知れないが、いずれにしても記者の皆さんももう少し実態を知る努力をして欲しいし、使い古された言い回しを何も考えずに繰り返すことはやめて欲しいものだ…。
もちろん、「ウクライナ侵攻に対する制裁として国際音楽コンクール世界連盟から除名され、権威は低下した」とはっきり書いている真っ当な記事もある。
今年のチャイコンは私の中では無かったことになっている…(^^;)…ので、これ以上書くことはない。
…のだが、一日も早く戦争が終わって、以前のような本当に中身のある「チャイコフスキー国際コンクール」が復活して欲しいと心から願っている。
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