2015年9月12日土曜日

ショパン・コンクール注目ピアニスト:ラトヴィアほか

《ショパン・コンクールの有力候補を聴く》の中から、ロシア・中国・韓国以外の7人の演奏(事前審査)を聴いてみた。残念ながら、お気に入り候補は見つからなかった。

なお、アルファベット名のあとの数字は、聴いた時点での YouTubeの「再生回数 / Good(いいね)の数 / Badの数」である。


ゲオルギス・オソキンス
Georgijs Osokins 2164/24/6
ラトヴィア

音もきちんと出ているし、きれいに弾いているのだが、何かが物足りない。優等生的?、いや優等生以上だという気はするのだが…。「演奏」が前面に出て来て、「音楽」とか音楽に乗せて伝えるべきものが伝わってこない、とでも言えばいいのだろうか。まあ、好みではないが、審査員受けはいいのかもしれない。


シャルル・リシャルト=アムラン
Charles Richard-Hamelin 10711/135/20
カナダ

ノクターンはちょっと「聴かせる」演奏でいいかな、と思ったのだが、エチュードはイマイチだった。「余力あるピアニズム」という評価をされていたのだが、私の耳には、そうは聴こえなかった。どちらかというと、やや乱れを感じた。もたつくところと上滑りするところ。


タミラ・サリンジャノヴァ
Tamila Salimdjanova 1486/16/12
ウズベキスタン

ノクターンは、間が持たない感じ。ゆっくりの曲は苦手なのかも。「強い女性ピアニスト」という紹介があったが、それはあまり感じない。op.10-4 のエチュードなども、ちょっと軽い印象。一つ一つの音がちゃんと出てないような感じだ。比較的良かったのは、マズルカ op. 56-2 くらい。


イヴェット・ジョンジョジ
Ivett Gyöngyösi 9008/96/54
ハンガリー

バルカローレは、きれいな音で歌う演奏は好ましいが、個人的にはもう少しメリハリがほしい。ノクターン op.55-2 は実にきれいに歌っている。「歌の才媛」という表現は間違ってなさそうだ。

マズルカとエチュードは、部分的にはきれいなのだが、物足りない印象。ただ、聴きながら思ったのは、聴き手としてもモダン・ピアノのダイナミズムに慣らされてしまっているのかも、ということ。ショパン自身も小さな音で弾いていた、という話もあるし…。


アレクセイ・タルタコフスキー
Alexei Tartakovsky 2534/22/2
アメリカ

ノクターンはややもたつく感じ。エチュードも弾ききれていない印象。全体的に、面白くない感じで、好みのピアニストではなさそうだ。


アリサオ・ユニリッチ
Aljoša Jurinić 4267/55/11
クロアチア

線が細いというのが第一印象。粒立ちのいい音は好みなのだが、いかんせん小粒である。エチュード op.25-6、op.10-8 なんかは実にきれいで好ましいが、少し物足りなさを感じる。


ピオトル・リシャルト・パヴラク
Piotr Ryszard Pawlak 4110/36/15
ポーランド

「ポーランド最年少17歳」ということで、まだまだ荒削りの印象は否めない。ミスも多いし、リズム感もあまりいい感じではないが、恵まれた大きな身体(とうぜん手も大きい)を活かして、これから精進してほしい、というところだろうか…。


『音楽の友』と Pianist Loungeの「予備予選レポート」を参考にして、20人ほどの「海外勢の注目ピアニスト」を聴いてみたが、私の「お気に入り」候補となりそうなピアニストは、2〜3人しかいなかった。(結果はこちら)名前のあがっていない中に、今回のコンクールで発掘される逸材が隠れているといいのだが…。



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