昨日の記事(↓)に書いたように、最近低調になっている「ピアノ界の『今』を知る」ための活動を再開したいと思う。
しばらくは、『ぶらあぼ』の新譜 CD 紹介サイト(✏️ぶらあぼ/ New Release Selection)にある CD の新しいものから順にチェックして行こうと思っている。
で、最初に見つけたのがこの CD(↓)。
菊池洋子さんについては、名前は聞いたことがあるが演奏を聴いた覚えはないというピアニスト。なので、私としては何も予備知識がなく、先入観のようなものもない。
2002年に第8回モーツァルト国際コンクールで日本人として初めて優勝した人のようだ。
そして、この『ゴルトベルク』はコロナ禍の中でじっくりと練り上げたもの…とのこと。
✏️人生をゴルトベルクとともに歩んでいく(ぶらあぼ インタビュー)
YouTube にはこの CD の音源が見つからなかったので(そもそも YouTube にはあまり音源が上がってないようだ)、Spotify で聴いてみた。
正直に言うと、それほど期待していた訳ではないが、最初のアリアから「おっ!♪」と思わせるいい音が響いてくる。
とくに奇を衒ったりすることなく割と素直な演奏なのだが、音がきれいで歌う感じ、そしてテンポよく前に進む感じが好印象だ ♪
すべてを聴き終わって感じたのは、とても誠実にこの作品に取り組んだ結果が「菊池洋子のゴルトベルク」としてきちんと成り立っている、…というか、安心して聴けるいい演奏になっている…ということ。
ただ『ゴルトベルク』というと、個人的にも大好きな曲で、歴代の名演奏(グールド、シフ、コロリオフ、ファジル・サイ等々)を聴いてきたので、自分の中にある程度イメージのようなものが出来てしまっている。
なので、通して聴いているとところどころに「違和感」のようなものを感じることがある。その違和感の印象はプラスのこともありマイナスのこともあるのだが…。
例えば、全体的には「歌う」感じが強い演奏なのだが、第15・25変奏あたりのゆったりした静かな変奏では、その歌う感じがやや希薄になってやや淡白な印象を受けた。全体の構成のメリハリという意味ではこれもありかな?とは思ったが…。
逆にテンポの速いところ、例えば第20・23変奏では少しバタつく感じがして、もう少しテンポを落としてでも落ち着いた感じがあったほうが、個人的には好きだったかも…。
とはいえ、日本人ピアニストの弾くゴルトベルク(そんなに聴いた記憶はないが…(^^;)…)の中では一番好きな演奏かも知れない。
菊池洋子さんの演奏、他の曲ももう少し聴いてみようかな?と思っている ♪
おまけ。コロナ禍は大変だった(今でも…?)けれど、その時間を使って色んなピアニストが、新しい取り組みをして、その成果を素晴らしい演奏として届けてくれるのは本当に嬉しいことだ…(^^)♪
ファジル・サイが昨年末にリリースした『ゴルトベルク』も本当に素晴らしいものだった ♪
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