2019年6月22日土曜日

チャイコン2次1日目:ググニンのショパンよかった ♪

昨夜は、ライヴで 4人(Konstantin Emelyanov、Dmitry Shishkin、An Tianxu、Andrey Gugnin)の演奏をほぼ全部(途中風呂に入ったけど…)聴いたので、さすがに疲れた。

で、今日は昼前に出かけるので、深夜帯の 3人(Alexander Gadjiev、Alexey Melnikov、Philipp Kopachevsky)は、この記事を書きながらかいつまんで…聴くことにした。




昨夜の 4人の中で意外に(失礼…(^^;)…)よかったのが、最後に聴いたググニンのショパン(ソナタ第3番)。ロシア的ガンガン弾きだけでない、美しく歌うググニンがいて、ちょっとびっくりした。最後の方はちょっと息切れしていた感じだったが…。

ちなみに、1曲目に弾いたプロコフェエフの 7番のソナタの方はガンガン弾きで、こういう曲、こういう弾き方が好きな人には堪らないのだろうが、そして上手いとも思うのだが、残念ながら私は好みではない。

ショパンの 3番と言えば、藤田真央くんも弾くことになっている。真央くん、ググニンを超えられるか…。いや、超えてくれると信じたい…(^^)。


どうも、2次ラウンド(セミファイナル)は「選曲」によってコンペチタの運命?は大きく左右されるのではないか…と、この 4人を聴いていて思った。


Konstantin Emelyanov は、ちょっと張り切りすぎた選曲だったのではないか…? 演奏は悪くはなかったのだが、どうも「一生懸命さ〜必死さ」が前面に出てきて、聴いている方は音楽を楽しむというより、見ていて息苦しくなってくる…(^^;)。

最後のバーバーのソナタなど、とくに後半が音楽に乗ってとてもよかったのだが、その前に 1曲くらい息抜き的な?曲が欲しかった。チャイコフスキーのシンフォニー 6番はちょっと重すぎたのでは…? 次のシシキンのショパンを聴いてホッとした感じ…(^^;)。


Dmitry Shishkin は、やっぱりシシキン…という印象。最初のショパン 2曲がちょっと意外な選曲だったけれど、最初のマズルカはなんだかロシアの民族舞踊(コサックダンス?)の曲みたいだったし…。でも、スケルツォ 2番は秀逸だった ♪

プロコフェエフとラフマニノフはシシキンらしさが出た安定感のある演奏。でも、個人的にはもう少し音に艶っぽさのようなもの?が欲しいとも思う。メトネルの "Forgotten Melodies I, Op.38" はよかった ♪


中国の An Tianxu というピアニストは、正直言ってどこがいいのかよく分からない。1次ラウンドでもとくに印象に残らなかったのだが、セミファイナルを聴いても同じ印象。

最初にプロコフェエフの "Four studies, Op. 2" という、シシキンも弾いた曲を持ってきているのだが、まったく面白くない。解釈の違いなのかも知れないが別の曲に聴こえた。

ブラームスの「パガニーニの主題による変奏曲 Op.35」は、申し訳ないが退屈だったので、ここで風呂に入ってしまった…失礼…(^^;)。


以下、深夜組 3人の一言感想。

ガジェヴくん、最初のリスト「ダンテ」出だしはちょっといいかな ♪ と思ったのだが、あとがあまり続かず、やっぱり浜松国際のときの印象(それなり…)とほとんど変わらず。

スクリャービンはきれいなのだが、なぜか惹きつけられるもの(要素)が、少なくとも私はあまり感じない…。「コンクール弾き」のプロコは耳タコだし…(^^;)。よほど、際立った特徴を出さないと面白くないと思う。技術判定の審査には有効かも知れないが…。


メルニコフの 1曲目、リストのソナタもプロコのソナタと同じで「コンクール向けに弾いてるぞ」感が前面に出ている演奏だと思った。音楽を聴かせてほしいのに…、とくに聴かせどころでは…。

そう意味では、スクリャービンのプレリュードのしっとり感は良かった ♪

最後のプロコフェエフの "Four studies, Op. 2" は、これで 3人目の演奏を聴いたのだが、メルニコフの演奏が一番好きかも知れない。1曲目の音楽的な迫力(ここで拍手が来た…(^^)…)、2曲目の音の粒立ちの美しさ、…いい感じだ。


コパチェフスキーは、1次と同じ印象で、そつなく弾いているが、全体的に粗さのようなものを感じる。もっと丁寧に音楽を奏でるというのか、思いを込めて欲しい。

シューマンの「カーナヴァル」、今回のコンクールで初めて聴くので新鮮ではあったが、あまり面白くはない。メトネルの "Forgotten Melodies I, Op. 38" もただ弾いているという印象。もっと美しい曲だと思うのだが…。

最後のグリーグ「ペール・ギュント組曲」も選曲としては面白いと思うのだが、原曲が有名なだけに聴かせるのはけっこう難しいかも知れない。


「選曲」ということで言えば、藤田真央くんは 3つのピアノソナタ。スクリャービンの 2番、ショパンの 3番、プロコフェエフの 7番。大丈夫だろうか?

自分でも何を心配しているのかよく分からないが、ちょっと大胆なプログラムだという気もする。息抜き的な曲も入っていないし…。他のコンペチタとも被っているし(どうしても比較されてしまうし)…。

でも、この 3曲で聴衆を唸らせたら、それはそれで気持ちいいかも知れない…(^^)?


ところで、まだ終わってはいないのだが、今回はどうも前回のルカくん(リュカ・ドゥバルグ)のようなピアニストとの出会いはなさそうだ。ルカくんのメトネルのソナタとラヴェルの「夜のガスパール」は本当に凄かった…(^^)♪

〈ピアノから音楽が聴こえて来る演奏 ♪(チャイコンから)〉


で、今回はもしかしたら、《チャイコフスキーコンクール(ピアノ)1次の結果と感想…》で書いた「やはりそうなのね…」と思うコンペチタたちの争いになるのかも知れない。

つまり、Andrei Gugnin、Alexander Gadjiev、Alexey Melnikov、Philipp Kopachevsky、Arsenij Tarasevich-Nikolayev、Anna Geniushene といったピアニストたち…。

…でも、もしそうだとすると、藤田真央くんにもチャンスがあるということになる。真央くんがんばれ !!(^^)!!



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