2019年5月9日木曜日

ユジャ・ワンの代役デニス・コジュヒンを聴いてみた ♪

珍しく、ユジャ・ワンがコンサートをキャンセルしたという記事があった。

✏️SICKLIST: YUJA’S OUT

で、興味を持ったのは代役のデニス・コジュヒンというピアニスト。あまり名前に聞き覚えがないのだが、ユジャ・ワンの代役を務めるのだからそれなりのピアニストだろうと思ってチェックしてみた。




ちなみに、ユジャ・ワンがキャンセルしたのは今週初めの "Iggudesmann-Joo show"(ウィーン)と今日のバーミンガムでのコンサートと書いてある。

で、"Denis Kozhukhin is her replacement." となっている。


デニス・コジュヒン(Denis Kozhukhin、ロシア、1986〜)を調べてみると、2010年のエリザベート王妃国際音楽コンクールで優勝して以来あちこちで活躍している有名なピアニストらしい。これまでは、なぜか私には縁がなかったようだ…(^^;)。

2011年2月には初来日して絶賛を博し、NHKにより収録・放送もされている。その後もたびたび来日しているようで、確認できた最新の来日は 2017年9月のN響との共演で、ラフマニノフのピアノ協奏曲第4番を弾いている。


で、YouTube などで少し聴いてみた。

私自身の全体的な「お気に入り」度は微妙な感じである。とてもいい演奏もある一方で私の好みとはちょっと違うというものもある。ロシア・ピアニズムの一つの型にはなっているとは思うのだが…。

一般的な評価は「強靭なテクニックと豊かな表現力」「鬼才」「天才」などの言葉が並んでいて、まぁ、そういう評価もあるのだろうとは思う。


ピアノ協奏曲(ラフマニノフ、グリーグなど)はそれなりに聴かせてくれる。音もよく鳴るし、オーケストラに負けないダイナミックさはいいと思う。ただ、なぜか惹き込まれるところまでは(私の場合)いかない。

ソロ曲で気に入ったのは、意外にも(本人の雰囲気や評判とは少し違う感じの)静かなきれいな曲が多かった。

例えば、グルックの「精霊たちの踊り」(アンコールのようだ)やバッハ/シロティのプレリュード(BWV 855a)が良かった(↓)。

 Gluck: »Eurydikes Schattenwanderung« aus »Orpheus und Eurydike« ∙ Denis Kozhukhin

 Pianist Denis Kozhukhin: Prelude in b minor (Bach/Siloti)


コジュヒンらしさの出ている(と思われる)好演としてはプロコフィエフのソナタ第7番第3楽章。プロコフィエフのソナタは、2013年の来日公演で全9曲を弾いたようだ。

 DENIS KOZHUKHIN | PROKOFIEV · PRECIPITATO


逆に、ちょっと期待外れだったのがリスト(↓)。本人の雰囲気からすると得意分野かな?と思ったのだが、ちょっとガチャガチャしている感じ。日本語で「4. マゼッパ」と表示されるので、これが初来日のときのTV番組かも…。

 Franz Liszt "Mazeppa" - Denis Kozhukhin(pf)


リストも「マゼッパ」もそんなに好みではないので、そのせいもあるかと思って他のピアニストも聴いてみたが、このトリフォノフの演奏(↓)は嫌いではない…。

 Daniil Trifonov - No. 4 Mazeppa (Presto)


おまけ。途中でユジャ・ワンとデニス・コジュヒンが2台ピアノで共演している動画を見つけた。この演奏は爽快で面白い。デニス君、ユジャ・ワンとは気があうのかな?

 Yuja Wang and Denis Kozhukhin - Witold Lutosławski: Paganini variations for Two Pianos



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