「『ロン=ティボー=クレスパン財団主催国際音楽コンクール』のうち、2016年に開催予定であった「レジーヌ・クレスパン国際声楽コンクール」が2017年に延期された」ということである。
通称「ロンティボー国際コンクール」はピアノの「マルグリット・ロン国際ピアノコンクール」とヴァイオリンの「ジャック・ティボー国際ヴァイオリンコンクール」と声楽の「レジーヌ・クレスパン国際声楽コンクール」(2011年〜)とで構成されており、毎年?交替で開催されることになっている。
最近の開催は下記のとおり。これを見ると、2013年のヴァイオリンが翌年に延期されている。Wikipediaによると、「スポンサー不足で常に閉会の危機にあった。…現在も財政難は深刻で、2013年は休会した」とのこと。
2009年:ピアノ
第2位 Maria MASYCHEVA - ロシア
2010年:ヴァイオリン
第1位 Solenne PAIDASSI - フランス
2011年:声楽
第1位 Kihwan Sim 韓国
2012年:ピアノ
第2位 アン・ジョンド - 韓国
2014年:ヴァイオリン
第1位 Aylen Pritchin - ロシア
2015年:ピアノ
第2位 Julian Trevelyan - イギリス
第3位 實川風 - 日本
第5位 深見まどか - 日本
今回の延期理由は、今回は財政難というより(に加えて?)、1年かけてコンクールのあり方自体を見直し再構成する("a time to redesign contest" )ため、らしい。
"To develop and enrich future editions, the Foundation gives annually to "rethink, rebuild and propose a renewed form." A formula that will be adapted to new technologies and media issues of our time. "
「新しいテクノロジーや現代のメディアに適応」、つまり簡単に言えばネット時代に乗り遅れたコンクールの開催のあり方を見直そう、ということのようだ。
公式サイトの記事では、 "social networks, video platforms..." と書いてある。
まぁ、当然であろう。去年(2015年)のロンティボー(ピアノ部門)をネットを通して聴いたが、ネット配信はひどかった。配信予定時間になっても配信されない、音質がひどすぎる…。
→《ロンティボー:日本人4人がセミファイナルへ》
→《ロンティボー:早くもファイナル、日本人2人》
しかし、本当の問題は別のところにあるような気がする。上の記事にも書いたのだが、出場者のレベルが、チャイコフスキーコンクールやショパンコンクールに比べて低すぎる?ような気がする。
サンソン・フランソワ、アルド・チッコリーニ、スタニスラフ・ブーニン等が優勝者に名を連ねる歴史あるコンクールだろうが、名前だけの「骨董品」になっているのでは?
それにしても、そもそも国際コンクール、多すぎるのでは?と思ってしまう。この記事(の中の引用)によると、ピアノコンクールだけでも120以上あるそうだ。その中で、それぞれの存在意義を作り、保つのは大変そうだ…。
2015年のリーズ国際ピアノコンクールも、負けず劣らずひどかったが、こちらはポール・ルイス(とアダム・ゲートハウス)が新監督となり、改革が期待出来る。
さて、ロンティボーの復活なるか?楽しみではある。(ピアノは3年後?)
【関連記事】
《ロンティボー最終結果:實川さん3位、深見さん5位》
《今年のロンティボー面白そう:アルゲリッチ審査員長とか ♪》(2019)
《ロン=ティボー(ピアノ)コンペチタ50人発表:日本11人 ♪》(2019)
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