2026年8月18日火曜日

🎹M.クレメンティ③:カプリッチョ、変奏曲などにも聴き応えのある作品が…

クレメンティ(Muzio Clementi、伊、1752 - 1832)のピアノ曲を探索していて、これまでにピアノソナタと「グラドゥス・アド・パルナッスム」を聴いてみた。


あとは「その他」的な作品になるのかな?…と思っていたのだが、ハワード・シェリーの弾く"Clementi: Capriccios and Variations"(クレメンティ: 奇想曲&変奏曲集)という  CD を聴いて、クレメンティの代表曲は意外と?この辺りにあるのかも?…と思い直した。

…ので、もう少し探索を続けることに…。




カプリッチョも変奏曲も作品数は少ないのだが、なかなか聴き応えのある作品が揃っている…と思った ♪ ほとんどの曲がハワード・シェリーの CD で聴ける。




収録曲は下記。「🌸:気に入った 🌼:やや気に入った」を付けてみた。

  1. 奇想曲 変ロ長調 Op.17(1787)
  2. 奇想曲 イ長調 Op.34-3(1795頃)🌸
  3. 奇想曲 ヘ長調 Op.34-4(1795頃)
  4. 奇想曲 ホ短調 Op.47-1(1821:69歳)🌸
  5. 奇想曲 ハ長調 Op.47-2(1821:69歳)🌸
  6. 21の変奏曲つきブラック・ジョーク ト長調 WO.2(1777:25歳)🌼
  7. 狩り Op.16(1786)
  8. 12のモンフェリーナ Op.49(1821)
  9. 月の光による変奏曲 Op.48(1821)🌼
  10. モーツァルトの歌劇《ドン・ジョヴァンニ》の「打て、打て」による変奏曲 WO.10(1820)
  11. コリック氏によるメヌエットによる変奏曲 WO.5(1793)
  12. ロンド 変ロ長調 WO.8(1802)
  13. 音楽的性格描写 Op.19(1787)


カプリッチョ(奇想曲)でとくに気に入ったのは、Op.47 の 2曲。"Deux Caprices en forme de Sonates"(ソナタ形式の…)と表記されることもあるように、3〜4楽章構成の本格的なソナタだと考えてもいいのかも…。

楽想が縦横無尽に駆け巡る自由さがいい ♪ ベートーヴェンを彷彿とさせる「熱情」的要素と、ロマン派にもつながるような幻想曲的な表現が感じられて、とても 70歳近い人の作品とは思えない…。

力強い和音連打で始まる Op.34-3 もなかなかいい感じ ♪

この辺りの作品は、もっと色んなピアニストに取り上げてほしいと思う。


「21の変奏曲つきブラック・ジョーク」も面白い。「ブラック・ジョーク」というのは当時のイギリスの有名な俗謡のことで、現在使われている意味合いではない。

「月の光による変奏曲」は、幻想曲風の序奏のあと、日本でもよく知られたフランス民謡「月の光」の主題と変奏が続く。


「モンフェリーナ(Monferrina)」というのは、イタリア・ピエモンテ地方の伝統的な舞曲の名前らしい。Op.49 はその小品集。

それにしても、クレメンティ 69歳の 1821年というのは充実していた年だったのだろう。「奇想曲 Op.47」、「月の光による変奏曲 Op.48」、そしてこの「12のモンフェリーナ Op.49」と揃っている。


「音楽的性格描写 Op.19」というのは、「ハイドン、コジェルフ、モーツァルト、シュテルケル、ヴァンハルそして作曲者(クレメンティ)の様式で作曲したプレリュードとカデンツァ集」という副題通り、「ハイドン風」"alla Haydn" などのプレリュードが 2つずつと、カデンツァが 1つずつの曲集となっている。

パロディというよりも、ある程度真面目に?それぞれの作曲家の特徴を模倣した曲になっているような気がする。ハワード・シェリーはカデンツァは弾いていない。

まぁ、それなりに楽しめるが、コジェルフ、シュテルケル、ヴァンハルって誰?という作曲家については何とも言えない…(^^;)。


カプリッチョの他のピアニストによる演奏を探してみたが、あまり多くはない。それなりにいいかな…と思ったのは次の二つくらい…。

ヴィットリオ・フォルテ(Vittorio Forte、伊、1977 - )というピアニストが、クレメンティだけの曲でアルバムを出している。2008年の録音で収録曲は下記。

  1. ピアノ・ソナタ ト短調 Op.34-2
  2. ピアノ・ソナタ ロ短調 Op.40-2
  3. 奇想曲 第4番 Op.47-1
  4. 「月の光」による幻想曲と変奏曲 Op.48

※ Op.47-1 は track 6 - 11


シューラ・チェルカスキー(Shura Cherkassky、ウクライナ、1909 - 1995)が Op.47-2 を録音している。



おまけ。ヴィットリオ・フォルテというピアニストは C.P.E.バッハ の幻想曲、ロンド、変奏曲で構成したアルバム "Abschied"(別れ)というのも出している(↓)。


♪ Abschied Vittorio Forte(アルバム)

クレメンティの前に C.P.E.バッハの鍵盤作品も探索したのだが、その時はこの CD は見つけることができなかった…。下記記事に追記しておこうと思う。



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