2023年5月2日火曜日

ユジャ・ワンの代役で現代ピアノ協奏曲を数日で仕上げる Tamara Stefanovich って!?

ユジャ・ワンがリンドベルイの協奏曲を弾くコンサートをキャンセルした(due to illness)という記事があって、ありゃ…と思って見ていたら、数日間の練習でその代役を務めるというピアニストがいて、これにはちょっと驚いた…(^^;)!

✏️Just In: Yuja Crashes Out Of Lindberg Concerto(SlippedDisc)




そのピアニストは Tamara Stefanovich(タマラ・ステファノヴィチ、1973- )というドイツの女性ピアニスト。出身はユーゴスラビア(現セルビア)のベルグラード。

弾く曲はマグヌス・リンドベルイのピアノ協奏曲第3番。昨年10月にユジャ・ワンが世界初演したばかりの新曲。30分を超える難曲。Esa-Pekka Salonen 指揮 NDR Elbphilharmonie Orchester との共演。 



冒頭に挙げた記事は 4月30日付。「楽譜を受け取ったのは昨日」とあるので 4月29日とすると、コンサートの 5月5日までは 1週間もない…(^^;)。

そんな短期間で現代ピアノ協奏曲を仕上げることが出来るのか!? プロのピアニストって本当にすごい! このタマラ・ステファノヴィチが特別なのか?

本人からのメッセージも "So yes, thoughts and prayers." という言葉で結んであるが…。これは「思いと祈りが届きますように」といった感じの「お悔やみ」の表現らしい…(^^;)。


ところで、タマラ・ステファノヴィチという名前に聞き覚えがあると思ったら、以前にこの記事(↓)で見たエマールさんのお弟子さんで現代ピアノ曲のスペシャリストだった。

✏️タマラ・ステファノヴィチ&ピエール=ロラン・エマール(Tamara Stefanovich & Pierre-Laurent Aimard)『幻影』メシアンの傑作“アーメンの幻影”を継承者であり解釈者がついに録音(Mikiki)

この記事で紹介されているのはこの CD(↓)。




このコンサートは "Hamburg International Music Festival" の一環で 5月5日と 7日の 2回公演なのだが、このタマラさん、6日にはもともと "Tamara Stefanovich Sonata Marathon" というリサイタルを予定していたので、何だかすごいことになっている…(^^;)。

この「ソナタ・マラソン」は、スカルラッティなどの古いものから現代のピアノソナタまで 20曲を 3時間かけて弾くもののようだ。これも凄い!

自分用のメモとしてプログラムをコピペしておく。知らない作曲家(太字)も何人か…。

  1. Johann Sebastian Bach:Sonate a-Moll nach der Sonata I in Jan Adams Reinkens »Hortus musicus« BWV 965
  2. Antonio Soler:Sonate Nr. 87 g-Moll
  3. Ferruccio Busoni:Sonatina seconda
  4. Domenico Scarlatti:Sonate c-Moll K 158
  5. Domenico Scarlatti:Sonate G-Dur K 13
  6. Carl Philipp Emanuel Bach:Sonate g-Moll Wq 65/17
  7. Charles Ives:Three-Page Sonata
    – Interval –
  8. Domenico Scarlatti:Sonate C-Dur K 406
  9. Béla Bartók:Sonate für Klavier Sz 80
  10. Domenico Scarlatti:Sonate g-Moll K 450
  11. Hanns Eisler:Sonate für Klavier op. 1
  12. Antonio Soler:Sonate Nr. 110 Des-Dur
  13. Paul Hindemith:Sonate für Klavier Nr. 3 B-Dur
    – Interval –
  14. Antonio Soler:Sonate g-Moll
  15. Alexander Skrjabin:Sonate Nr. 9 F-Dur op. 68 »Schwarze Messe«
  16. Domenico Scarlatti:Sonate g-Moll K 8
  17. Nikolai Roslawez:Sonate für Klavier Nr. 2
  18. Domenico Scarlatti:Sonate h-Moll K 87
  19. Leoš Janáček:1. X. 1905 / Sonate für Klavier »Von der Straße«
  20. Galina Ustwolskaja:Sonate für Klavier Nr. 6


少し前に《ピアニストから現代作曲家を探る:Ralph van Raat ラルフ・ファン・ラート》という記事を書いたが、このタマラ・ステファノヴィチも現代作曲家探索の「起点」になるピアニストのようだ。

まずは、上のプログラムにある知らない作曲家のピアノソナタを聴くところから始めてみようと思っている…(^^)♪



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