Slipped Disc でこんな記事を見つけた。
"Brief Premiere"=「短い初演」?…と思って見ると、こんな短い記事(↓)。でも、短かいのはユジャ・ワンの衣装だったかも…(^^;)。
"The US pianist gave the French premiere in Paris last night of Magnus Lindberg’s piano concerto. The conductor was her partner, Klaus Mäkelä."
上の記事にあるピアノ協奏曲第3番の「フランス初演」(4月13日)の音源はさすがになかったが、世界初演(2022年10月13日、サンフランシスコ)の音源(音のみ)が YouTube にあったので聴いてみた。
♪ Yuja Wang: Magnus Lindberg Piano Concerto No. 3 (World Premiere)
Esa-Pekka Salonen が指揮する San Francisco Symphony の演奏。
ちなみに、この作品を委嘱したオーケストラなどの団体がすごい。"China National Centre for The Performing Arts, San Francisco Symphony, Toronto Symphony Orchestra, Philharmonie de Paris - Orchestre de Paris, NDR Elbphilharmonie Orchester, and the New York Philharmonic" からの委嘱だそうだ。
作品としてはなかなか本格的。現代的ではあるが、初期の「現代音楽」?(実験音楽?)のような難解さや乱暴さや変な気取りなどはなく、ある意味、素直な音楽の流れを感じることができる。全体的にややダイナミズムが強調されている印象もあるが嫌いではない。
最近の「現代音楽」の一つの傾向にもなっているのかも知れない。
そして、何よりユジャ・ワンの現代音楽に対する解釈(感性)と技術にはいつも驚かされる。出来立ての作品なので、そんなに長い時間をかけているとは思えないが、第一印象としては、十分に弾きこなしているように見える(聴こえる)。
マグヌス・リンドベルイ(Magnus Lindberg、1958年6月27日 - )という名前は初めて聞いた。フィンランドの現代音楽の作曲家、ピアニストで、かなり活躍している有名人のようだ。
1958年ヘルシンキ生まれ。ピアノを学んだ後、シベリウス音楽院にて作曲をラウタバーラとパーヴォ・ヘイニネンに師事。
現代音楽の振興と宣伝を目的としたグループ「耳を開け!」(Korvat auki!)の一員として活躍。このメンバーには、カイヤ・サーリアホやエサ=ペッカ・サロネンらがいる。
1981年にパリへ赴き、グロボカールとグリゼイに師事している。この間、シエナでドナトーニの授業に参加したり、ファーニホウ、ラッヘンマン、ヘラーなどと親交を結んだりもしている。
1986年にインターナショナル・ロストラム・オブ・コンポーザーズで第1位受賞後、国際的な委嘱に恵まれた活動を精力的に行っている。
今回のピアノ協奏曲が「第3番」(2022年)ということで、第1番(1991/94年)、第2番(2011–12年)も聴いてみたくなった。
リンドベルイはオーケストラ作品が多いようなので、ピアノソロ曲はあとで調べることにした。
ピアノ協奏曲第1番は作曲家本人がソロを弾いている CD が出ている。
ピアノ協奏曲第2番はイェフィム・ブロンフマンが素晴らしい演奏をしている。第2番が一番好きかも知れない。アラン・ギルバート指揮ニューヨーク・フィルの演奏で世界初録音。
この CD に収録された作品はリンドベルイがアラン・ギルバートのために書いたもの。
♪ Lindberg: EXPO - Piano Concerto No. 2(プレイリスト)
ピアノ協奏曲を 3曲聴いただけ(2回ずつ…)だが、このマグヌス・リンドベルイという作曲家はなかなかいい(私の好みにあっている)かも知れない。
他のピアノ作品も含めてもう少し聴いてみようかと思っている ♪
以下、参考記事。
✏️マグヌス・リンドベルイ(Wikipedia)
✏️Magnus Lindberg(Wikipedia/ 英語)
✏️2004年度審査員マグヌス・リンドベルイ(武満徹作曲賞)
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