一昨日初めて聴いたマグヌス・リンドベルイのピアノ協奏曲がなかなか良かったので、ピアノ作品を少し調べてみることにした。2曲のエチュードなどは素晴らしいと思った ♪
マグヌス・リンドベルイ(Magnus Lindberg、1958年6月27日 - )はヘルシンキ生まれ、フィンランドの現代音楽の作曲家、ピアニスト。ピアノを学んだ後、シベリウス音楽院にて作曲をラウタバーラとパーヴォ・ヘイニネンに師事。
現代音楽の振興と宣伝を目的としたグループ「耳を開け!」(Korvat auki!)の一員として活躍。このメンバーには、カイヤ・サーリアホやエサ=ペッカ・サロネンらがいる。
1981年にパリへ赴き、グロボカールとグリゼイに師事している。この間、シエナでドナトーニの授業に参加したり、ファーニホウ、ラッヘンマン、ヘラーなどと親交を結んだりもしている。
1986年にインターナショナル・ロストラム・オブ・コンポーザーズで第1位受賞後、国際的な委嘱に恵まれた活動を精力的に行っている。
協奏曲はピアノ 3曲、チェロ 2曲、ヴァイオリン 2曲、クラリネット 1曲などがある。ピアノを含む室内楽はピアノ五重奏曲、ピアノ三重奏曲がある。
- "...de Tartuffe, je crois..." for piano quintet (1981)
- Piano Concerto No. 1 (1991/94)
- Piano Trio (2008)
→Trio for Clarinet, Cello and Piano (arr. 2011-12) - Piano Concerto No. 2 (2011–12)
- Piano Concerto No. 3 (2022)
3曲のピアノ協奏曲はなかなか聴き応えがある。
これまでに作曲されたピアノ曲(2台ピアノ、ハープシコードを含む)には下記のようなものがある。全体的に、初期のものほど「現代音楽」の要素が強く、個人的には 2000年以降の作品の方が聴きやすく、かつ聴き応えもあると感じた。とくに、2つのエチュードと "Fratello"、"Promenade" あたりは好みの作品 ♪
- 2台のピアノのための音楽(1976)
- ピアノのための小品(1977)
- ピアノのための3つの小品(1978)
- Play I for two pianos(1979)
- Movement 1 - Routes 1 - Movement 2 - Prism 1 - Routes 2 - Movement 3
- Figures and Points - Mirrors - Figures and Points
- Movement 4 - Prism 2 - Routes 3 - Closure
- Ground for harpsichord (1983)
- ひも Twine(1988)
- ジュビリー Jubilees(2000)
- I. quarter note = 96
- II. quarter note = 64
- III. quarter note = 128
- IV. dotted quarter note = 64
- V. quarter note = 162
- VI. half note = 64
- エチュード No.1(2001)
- エチュード No.2(2004)
- Cantus firmus (2012)
- Eloge (2014) from 10 'musical postcards'
- Fratello for piano (2016)
- Promenade for piano (2017)
YouTube にはそれなりに音源があるようだ。まずは、気に入った 4曲。
二つのエチュードは Ralph van Raat というオランダのピアニストの演奏で、後で紹介する『リンドベルイ:ピアノ作品全集』に入っているもの。
聴きながら感じたのは、ピアノの音響を材料とした「音による造形(彫刻)」が展開されているという印象。空間をピアノの響きが埋めていき、美しい形が構築されていくイメージは好きだ…(^^)♪
ちなみに、楽譜 "Lindberg / Piano Album" の序文で、作曲者自身が "Etude II" について「ショパンの op. 10/2 を思い出させる」と語っているとのこと。楽譜付きの動画は下記。
"Fratello" は「兄弟」という意味のイタリア語で、作曲家 Steven Stucky を偲んで作られた曲。弾いているのは Gloria Cheng という人で、2008年にグラミー賞を受賞している。
"Promenade" は何となく「展覧会の絵」(ムソルグスキー)を思い出しながら聴いてしまった…(^^;)…が、ちょっと似ているところがあるかも…?
その他『リンドベルイ:ピアノ作品全集』という CD には 2004年のエチュード 2 までの全ピアノ曲が入っているようだ。弾いているのは Ralph van Raat(ラルフ・ファン・ラート)というオランダのピアニスト。第2ピアノはマールテン・ファン・フェーンという人。
- Music for 2 Pianos
- 2 Klavierstuck
- 3 Short Pieces
- Play I
- Twine
- Jubilees
- Etude No. 1
- Etude No. 2
3つのピアノ協奏曲の音源も再掲しておく。詳しくは《ユジャ・ワンが初演♪ マグヌス・リンドベルイのピアノ協奏曲第3番 ♪》。
ピアノ協奏曲第1番(Pf: マグヌス・リンドベルイ)
♪ M. Lindberg: Piano Concerto / Kraft(プレイリスト)ピアノ協奏曲第2番(Pf: イェフィム・ブロンフマン)
♪ Lindberg: EXPO - Piano Concerto No. 2(プレイリスト)
楽譜は主に Boosey & Hawkes から出版されているようだ。エチュード I 以降のピアノ作品が集められたピアノアルバム(↓)も出ている。
📘Lindberg / Piano Album (2018/2/1)
解説に委嘱などの情報が載っていたので転記しておく。
- Etude I (2001) : Commissioned by the Festival Octobre en Normandie.
- Etude II (2004) : Composed as a 60th birthday gift for Paul Crossley.
- Cantus firmus (2012) : Composed in tribute to Zarin Mehta, formerly President of the New York Philharmonic.
- Eloge (2014) : One of ten 'musical postcards' composed for the tenth anniversary of Casa da Musica, Porto, for presentation as videoson Casa da Musica's website.
- Fratello (2016) : Composed for a concert at Walt Disney Concert Hall, Los Angeles, in memory of the composer Steven Stucky.
- Promenade (2017) :Composed in 2017 for Victoria Robey OBE, Chairman of the London Philharmonic Orchestra where Magnus Lindberg was composer-in-residence from 2014 to 2017.
✏️マグヌス・リンドベルイ(Wikipedia)
✏️Magnus Lindberg(Wikipedia/ 英語)
✏️2004年度審査員マグヌス・リンドベルイ(武満徹作曲賞)
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