でも、最後まで聴いてみると、これはこれでありかな?…と。「コンテンポラリー」過ぎると感じる方もおられるかと想像するが、個人的にはこういうのも嫌いではない…(^^)♪
3月3日リリースで、日本での発売はまだだが、アマゾンでは輸入盤が購入できる。
収録曲:J.S.バッハ:ピアノ(チェンバロ)協奏曲
- ト短調 BWV1058(第3楽章カデンツァ:小倉美春)
- イ長調 BWV1055(第2楽章カデンツァ:ルドルフ・ブリュノー=ブルミエ)
- ニ短調 BWV1052(第3楽章カデンツァ:フランチェスコ・トリスターノ)
このアルバムの特徴の一つが、各曲のカデンツァを現代音楽の作曲家(BWV1052 はトリスターノ自身)が作っていること。
そして演奏は、フランチェスコ・トリスターノ(ピアノ)に加えて、このプロジェクトのために結成された「バッハ・ステージ・アンサンブル」をフランスの気鋭指揮者レオ・マルグが指揮している。
レオ・マルグは、2022年に「アンサンブル2e2m」(20世紀・21世紀の作品を専門とするフランスの音楽アンサンブル)の音楽監督に就任している。
出典:✏️バッハ・ステージ(Tower Records)
で、すでに YouTube でこのアルバムを聴くことができるので、早速聴いてみた。
♪ Bach Stage(プレイリスト)
冒頭、BWV1058 の第1楽章から聴き慣れたバッハではない音が流れる。軽い。リズム感がジャズやポップスに近い?…かも知れない。
その感覚は第2楽章の Andante でより強くなる。耳は、いわゆる「緩徐楽章」を期待していたのだが、妙にリズミカル…。テンポ自体が速いというよりもリズムの取り方が軽やか。こういうのを「コンテンポラリー」と言うのかな…?
そして、一番ビックリしたのは第3楽章のカデンツァ(この時点では現代音楽的カデンツァのことを知らずに聴いていた…)。
トリスターノが音を外した?…と思いきや、いきなり時代が現代にワープ?して現代音楽の世界に…。そして、元のバッハの流れに戻れるのかな?…などと考えているうちに、何事もなかったかのように?バッハに戻って終曲…。
ちょっとキツネにつままれたような、釈然としないような気持ちも残ったが、これは…新しい何者かなのだろう…と納得した…?
あとで見たら、このカデンツァは現代音楽作曲家の小倉美春さんによるものだった。
《オルレアン・コンクールで谷口知聡さんが 2位、小倉美春さんが作曲賞を受賞していた ♪》
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結局、惹き込まれるように最後まで聴いて、最初に書いたように「これはこれでありかな?」と思うに至った。
バッハと現代曲の組み合わせは珍しいものではなくなってきた…と思う。例えば、去年聴いたリフシッツのアルバム(↓)もそうだった。
《リフシッツの新CD:バッハのトッカータ+現代ピアノ曲(Seabourne)♪》
《リフシッツの新CD:バッハのトッカータ+現代ピアノ曲(Seabourne)♪》
でも、曲の途中に(カデンツァとは言え)現代曲(のフレーズ)が挿入される…と言うのは初めての経験かも知れない…。
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ちなみに、バッハのピアノ(チェンバロ)協奏曲に「カデンツァ」があることは、これまでまったく意識してなかった…(^^;)。
歴史的には、バッハ以前にはカデンツァなど、奏者の自由度は大きかった…と言われている。バッハは、むしろその流れを嫌った?(自ら作曲したカデンツァを楽譜に残した)最初の作曲家だったかも知れないそうだ。
もちろん、後世の作曲家(や演奏家)によるカデンツァも残っている。
一番有名なのは、チェンバロ協奏曲第1番 ニ短調 BWV1052 に対するブラームスのカデンツァのようで、出版もされている。
また記録では、イグナーツ・モシェレスやメンデルスゾーンが 3台のハープシコードのための協奏曲 BWV1063 のカデンツァを作ったらしい。
1845年のモシェレスの日記に、「クララ・シューマンは私が作ったカデンツァを演奏し、Hiller(フェルディナント・ヒラー?)と私は即興で演奏した」と書いてあるとのこと。
出典:✏️Keyboard concertos by Johann Sebastian Bach(Wikipedia/ 英語)
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