2025年4月15日火曜日

Jazzピアニスト、ブラッド・メルドーのバッハとフォーレ、いい ♪

藤田真央くんの『指先から旅をする』 という本の中で、ブラッド・メルドー(Brad Mehldau)というジャズ・ピアニストの名前を知った。キリル・ゲルシュタインが「世界最高のジャズピアニスト」と高く評価していることもあり、聴いてみた。

《藤田真央くんの音楽の旅に連れて行ってくれる『指先から旅をする』 ♪》

ジャズはそれほど聴かないので軽い気持ちで聴いたのだが、彼の弾くバッハとフォーレが素晴らしく、いきなりお気に入りピアニスト、ノミネートとなった ♪




ブラッド・メルドー(Brad Mehldau、米、1970年8月23日 - )はフロリダ州マイアミに生まれ、6歳からクラシック・ピアノの本格的教育を受けた。14歳でジャズ・ピアノに傾倒。

1995年にワーナー・ブラザーズと契約しメジャー・デビューを果たす。2020年にはグラミー賞を受賞。日本にも何度か来ていて、今年も 5月にトリオでの東京・大阪ツアーがある。

彼の演奏・作曲する音楽はジャズにとどまらず、クラシック、ポップス、ロック、映画音楽など広い範囲にまたがるものとなっており、「現代音楽」の一つのあり方を示している。

クラシックでは、ここでご紹介するバッハ、フォーレ以外にも、オペラ歌手、ルネ・フレミングとの共演で自作の歌曲を発表したりもしている。ピアノ協奏曲もあるようだが、その音源を見つけることはできなかった。

ジャズ・ピアノ分野では、ジャズに対位法を取り入れたとか、これまでのジャズ・ピアノにはなかった「右手と左手の斬新な噛み合いが導く清新にして自由なハーモニーやメロディ感覚や揺らぎ」を作り出した等、革新的なピアノ奏法が高く評価されているようだ。


ジャズも何曲か聴いたが、よく分からないので…(^^;)…、今回はバッハとフォーレに関連した 3つのアルバムを紹介したいと思う。どれも、ピアノの音色・響きが素晴らしく、クラシック作品の演奏はちょっと新鮮な感じがしてとても気に入った ♪

J.S.バッハ関連では『アフター・バッハ』(2018)と『アフター・バッハⅡ』(2024)を聴いた。いずれも、バッハのオリジナル曲と、それにインスパイアされたメルドー作曲のピアノ曲で構成されている。


💿アフター・バッハ(2018)


♪ After Bach(プレイリスト)

平均律クラヴィーア曲集第1巻から 3番、10番、12番、第2巻から 1番*、16番の前奏曲やフーガが取り上げられていて、自作の 6曲を組み合わせたプログラムになっている。(*はとくに気に入った演奏)

メルドー作曲のジャズっぽい?曲も、最後の "Prayer for Healing" などは実に美しい。




After Bach Ⅱ(プレイリスト)

バッハの作品としては、平均律クラヴィーア曲集第1巻の 9番*、6番、20番*、7番、そしてパルティータ第4番ニ長調のアルマンドが取り上げられている。

ゴルトベルク変奏曲にインスパイアされた "Aria-like" と 6つの変奏曲も面白い。




♪ Après Fauré(プレイリスト)

フォーレの作品 5曲とそこからインスパイアされたメルドーの作品 4曲で構成されている。フォーレからはノクターンの 13番、4番、12番、7番と、ピアノ四重奏曲第2番の第3楽章アダージョ・ノン・トロッポより抜粋(ピアノ編曲?)が取り上げられている。

フォーレのピアノ曲は私自身それほど親しんでないので、このアルバムを聴いて少し不思議な感覚に囚われた。何気なく聴いていると、フォーレとブラッド・メルドーの作品の区別・境界が明確に聴き分けられなかったのだ…(^^;)。

フォーレの曲がそれだけ「現代的(ポピュラー的?)」と言えるのかも知れないし、それはメルドーの演奏によるものかも知れないし…。逆に、メルドー作品にフォーレの時代の?クラシック音楽に共通するものがあるからかも知れない…?


3枚のアルバムといくつかのジャズや歌曲を聴いただけだが、ほぼお気に入り確定だと思う。今後リリースされる CD などをウォッチしたいと思う。

ピアニストとしては、例えば「平均律曲集」の全曲演奏だとか、「ゴルトベルク」を録音してくれないかな…とか、ちょっと思ったりもする ♪

また、現代芸術音楽の作曲家としても期待したい。




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