2025年12月16日火曜日

▼J.S.バッハ平均律第2巻第16番フーガ:主題より対旋律の方に魅力?

J.S.バッハの平均律曲集第2巻から第16番ト短調 BWV885 のフーガ、練習開始から 4週間。

前回の記事に書いたように、楽曲分析のネット記事を読んで、曲全体の構成と主題や対旋律、エピソードなどの登場する場所はほぼ理解できた。

作りを理解することで、少しでも弾けるようになればいいのだが、なかなかそうも行かず、部分練習の四苦八苦は続いている。1時間の中で、部分練習を繰り返しながら、なんとか曲の最後までたどり着く感じである。




練習していて思ったことだが、このフーガは主題(主旋律)よりも対旋律の方が目立っているような気がする。

上の楽譜では、5小節目からのテノールが対旋律なのだが、(たぶん)個人的な好みもあって、この旋律が登場するとなんだか少しテンションが上がる?ような気分になる。


展開部最後の "Double subjects and countersubjects" のところ(↓)も、上声部(ソプラノとアルト)に対旋律が登場することもあり、どう見ても(聴いても)対旋律が主役になっている。テノールとバスの主題を強調するような弾き方もあるのかも知れないが…。

個人的な好みとしては、対位法よりも「和声」を感じる 3度で重なった対旋律を歌わせるような弾き方をしたいと思う ♪

バロックよりも古典派くらいの響きに近くなるのかも知れないが…?




バロックよりも新しい時代を感じさせるもう一つの要素は「エピソード」の多さではないか?…と勝手に思っている。

とくに、展開部には 5つものエピソードが挿入されて、そこで様々な転調がされて、まさに「展開」を多様に構成し推進する要素になっている…ような気がする。

まぁ、なかなかそんな風には弾けない、むしろエピソード部分には苦戦させられている…のだけれど…(^^;)。


ところで、前回ご紹介した「♩=58 位で、ゆっくり厳かに演奏する方法」を試してみたのだが、私にとってはこれでもちょっと速すぎる感じだった。

本当はリヒテルの「♩= 72」あたりを目指したいところだが、「♩= 58」位で弾ければ、私としては上出来…ということになりそうだ…(^^;)。


スケールは変ロ長調/ト短調の練習を継続中。


音楽鑑賞は、最近これといった新譜も見つかっていないので相変わらず低調…。

イム・ユンチャン(Yunchan Lim)の新譜「チャイコフスキー:四季」を褒めている記事があったので、聴こうと思ったが YouTube にアルバムはなく、2023年のウィグモア・ホールでの演奏(6曲のみ)があったので聴いてみた。


私の「耳タコ」問題解消のきっかけとなったのがトリフォノフのチャイコフスキーだったので、ちょっと気になって聴いたのだが、結果としては残念…だった…(^^;)。



どうも私にはこの人(イム・ユンチャン)の良さが分からない…(^^;)。

ピアノ演奏に対する私の好みのキーワードで言うと、「ピアノの音の美しさ」はあるが、「音響とその流れ」はあまり感じない。「ワクワク感」「新鮮採れたて」みたいな印象は殆どなく、「心に伝わる何か」も申し訳ないが感じない。全体的にそっけない印象…?

まぁ、好みの問題だろうが…。気を取り直して?トリフォノフのアルバム "Tchaikovsky" を聴くことにした…(^^)♪

♪ Tchaikovsky(アルバム)


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