今回のショパンコンクールでは「採点方法」が変わったようなので、一応公式サイトの資料(↓)で確認してみた。ちょっとややこしい…(^^;)。
19th International Fryderyk Chopin Piano Competition
Warsaw, 2–23 October 2025
まず、各審査員は 1〜25点 の点数を付ける。1 が最低で 25 が最高点。これまでの、「Yes/No」(次のラウンドに進ませたいか?)という判定はなくなったようだ。
一応、下記のような基準?(Rating scale)がある。
25: Perfect
23–24: Exceptional
18–22: Very good
16–17: Good
12–15: Average
6-11: Below average
1–5: Poor
で、各コンペチタごとに全審査員の採点の平均値(小数点以下2桁に丸める)を算出する。審査員が教えている生徒に対しては、その審査員は採点しない。
次に、この平均値から乖離している点数を調整するために次の操作を行う。
平均値より 3点(1次予選)/ 2点(2次〜 Final)以上離れている点数に対しては、平均値 ± 3(or 2)という値に修正される。
例えば 1次予選で 平均値 14.35 の場合、18点以上と11点以下の点数は、それぞれ 17.35(14.35 + 3)と 11.35(14.35 –3)として再計算される。12〜17点はもちろんそのまま。
さらに、今回は前のラウンドの評価も考慮するようになっていて、次のような計算式(重み付け)で算出される。
- 2次予選の得点=1次の点数 × 0.3 + 2次の点数 × 0.7
- 3次予選の得点=1次の点数 × 0.1 + 2次の点数 × 0.2 + 3次の点数 × 0.7
- Final の得点=1次の点数 × 0.1 + 2次の点数 × 0.2 + 3次の点数 × 0.35 + Finalの点数 × 0.35
1次〜 3次予選では、計算結果は点数の高い順に並べられて、コンペチタの名前は伏せて、数字だけが審査員団に示される。それに基づいて次のラウンドに進む通過者が決められる。
通過者が決定すると、今度はその名前だけがアルファベット順に並べて公開される。点数についてはコンクール終了(最終結果が出る)までは公開されない。
ただし 3次予選では、審査員の 2/3 以上の同意があれば、当落線上の 4人のコンペチタ(9〜12番目)の名前と点数が審査員団に示され、議論の上決定される。
そして Final では、名前と点数がともに示されたリスト(点数の高い順に並べられたもの)が審査員団に示されて、それを元に審議・決定が行われる。議論の方法や順位の入れ替えについても細かい規約がある。
なお、各審査員の採点表は、1次予選ではすべての演奏が終わったあと、2次以降はそれぞれの演奏が終わったあとに、スタッフ(the Secretary of the Jury)に提出される。
それから、コンチェルト、マズルカ、ポロネーズ、ソナタ、バラードそれぞれの「特別賞」("the best performance")についても、各審査員が 3人の名前を挙げて、1位 3点、2位 2点、3位 1点という点数をつけて、それを集計して…というルールが書いてあるのだが、ややこしいので割愛する。興味のある方は原文(↓)の 5ページあたりをどうぞ…(^^;)。
ただ、特別賞では審査員は自分の生徒にも投票できるようだ。
ショパンコンクールでは、終わったあとに採点表が公開されるので、それも楽しみだ ♪ 前回はなぜか、ファイナルの採点結果が出てないのだが…。
《ショパンコンクールの採点表、面白い♪》(2015年 第17回)
2次予選までは、自分の好みで「AA/ A/ B」=「すごくいい/ いい/ いいところもある」などと勝手に評価をメモしたりしていたが、この「25点満点」で付けてみるのも面白いかも?
ただ、そうすると全員・全曲聴かなくてはいけないし、25段階という細かい採点はとても出来る気がしない…(^^;)。
"Rating scale" の「Perfect/ Exceptional/ Very good/ Good/ Average/ Below average/ Poor」という区分であれば 7段階なので何とかなるかも…。
でも、ここに来て "Below average" とか "Poor" はさすがにないだろう。
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