ピアニストのボリス・ベルマンのことを調べていて、今年 3月にヴァレンティン・シルヴェストロフ(Valentin Silvestrov, ウクライナ, 1937-)の『ピアノ作品集』(2枚CD)がリリースされていることを知った。
このアルバムのプレイリストが YouTube にあったので聴いてみたが、なかなかに素晴らしく、ボリス・ベルマンをもっと聴いてみよう…という気になった ♪
♪ Valentin Silvestrov/ Boris Berman(プレイリスト)
きっかけは、何度か練習曲の候補に挙げながら、選曲段階で何度も断念しているプロコフィエフのピアノソナタ第9番をボリス・ベルマンの演奏で聴いたこと。
ボリス・ベルマンについては、プロコフィエフのピアノソナタを聴いたときにちょっと調べているが、その時はそれほど印象に残った訳ではなかった。
参考✏️Boris Berman(公式サイト)
今回見つけた記事はコレ(↓)。
✏️ボリス・ベルマンが半世紀以上の友情で結ばれたキーウ出身の作曲家ヴァレンティン・シルヴェストロフのピアノ作品を録音!(Tower Records)
この記事によると、シルヴェストロフとボリス・ベルマンは 60年来の親友で、今回の録音(2022年6月)でも、事前にアルバムの方向性を相談しながら作り上げたとのこと。
『後奏曲』『5つの小品』『3つの小品』では「軽く柔らかい音で演奏してほしい」というシルヴェストロフのリクエストにより、ピアノの蓋を閉じて演奏されたようだ。
シルヴェストロフは「バリバリの前衛作曲家」としてキャリアをスタートさせたが、1970年代以降は「調性音楽、無調音楽、太古に存在した古い音楽などもまとめて『普通』(の音楽)と捉えた方がよい」という考え方のもとに、聴きやすい作品が多くなっている。
作風としては "peace and consolation" という言葉に含まれる「静寂」の力、「祈り」「抒情性」「繊細な響き」などが、その傾向を表していると思われる。
個人的にも「キッチュな音楽」「後奏曲」「5つの小品」「3つの小品」などの小品が好みに合っている。
このアルバムの情報は下記。なお、ロシアのウクライナ侵略後に難を逃れたベルリンで作曲された「3つの小品」は世界初録音である。
(録音:2022年6月6-9日、リリース:2023年3月8日)
レーベル:Le Palais Des Degust
収録曲:
- トリアーデ(1962)【I.文字/II.セレナーデ/III.シルバー・トーンの音楽】
- エレジー(1967)
- ピアノ・ソナタ第2番(1975)
- ピアノ・ソナタ第3番(1977)【I.前奏曲/II.フーガ/III. 後奏曲】
- ピアノのための小品集「キッチュな音楽」(1977)【I.アレグロ・ヴィヴァーチェ/II.モデラート/III.アレグレット/IV.モデラート/V.アレグレット】
- 後奏曲 Op.5(2005)*
- 5つの小品 Op.306(2021)【I.パストラーレ/II.セレナーデ/III.パストラーレ/IV.ワルツ/V. パストラーレ】*
- 3つの小品(2022年3月、ベルリン)【I.エレジー/II.シャコンヌ/III.パストラーレ】(世界初録音)*
*=ピアノの蓋を閉じて演奏
おまけ。以前まとめた記事(↓)にもこの情報を追加しておこうと思っている。
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