ジョージ・ガーシュウィン(George Gershwin、1898-1937)は、20世紀のアメリカ・クラシック界を代表する作曲家…ということは知っていたが、「ラプソディー・イン・ブルー」以外の曲はよく知らないことに気がついて、ピアノ音楽を中心に調べてみた…(^^;)。
ジョージ・ガーシュウィンは、移民(父はロシア、母はベラルーシから)の子として、ニューヨークのブルックリンに生まれた。ジャズなどのポピュラー音楽とクラシック音楽の両面で活躍し、アメリカ音楽を作り上げた作曲家として知られる。
作詞家である兄のアイラ・ガーシュウィンと組んで作った多くの歌曲は "The Man I Love"、"I Got Rhythm" などのスタンダード・ナンバーとして今でも親しまれている。
38歳で亡くなるまでに、オペラ 2つ、ミュージカル作品 50曲、映画音楽 4つ、そして、管弦楽曲 7曲、室内楽曲 2曲、ピアノ曲 10曲、歌曲 500曲を残している。
✏️ジョージ・ガーシュウィン(Wikipedia)
✏️ガーシュウィン(PTNAピアノ曲事典)
ピアノに関連する管弦楽作品。
- ラプソディ・イン・ブルー(1924)
- ピアノ協奏曲 ヘ調(1925)*1
- パリのアメリカ人(1928)
- ラプソディ第2番(1931)*2
- アイ・ガット・リズム変奏曲(1934)
- 交響組曲『Catfish Row』(1936)*3
*1 指揮者ウォルター・ダムロッシュからの委嘱
*2 映画『デリシャス』の音楽として作曲
*3 オペラ『ポーギーとベス』の音楽を演奏会用組曲に編曲したもの。ピアノはオーケストラの 1パートとして参加している。
ピアノソロ作品。
- タンゴ(1914)
- リアルトのさざ波 - ラグ Rialto Ripples Rag(1917)*1
- 3つの前奏曲(1926)
- ソング・ブック(1932)*2
- Clap Yo' Hands
- Do-Do-Do
- Do It Again!
- Fascinating Rhythm
- I Got Rhythm
- I'll Build a Stairway to Paradise
- Liza (All the Clouds'll Roll Away)
- The Man I Love
- My One and Only
- Nobody But You
- Oh, Lady Be Good!
- Somebody Loves Me
- Strike Up the Band
- Swanee
- Sweet and Low Down
- 'S Wonderful
- That Certain Feeling
- Who Cares? (So Long As You Care for Me)
- プロムナード(1937)*3
- 2つの調のための即興曲(1929)
*1 Will Donaldson との共作
*2 既存のミュージカルから18曲選出し本人が編曲
*3 映画『踊らん哉』から「犬と歩けば」の編曲
📘ガーシュウィン ラプソディー・イン・ブルー(ピアノ編曲)
(レナード・バーンスタインによるニューヨーク・フィル弾き振り)
「ラプソディー・イン・ブルー」は、ガーシュウィンが 2台ピアノ用に作曲し、グローフェがジャズ・バンド用にオーケストレーションしたものが初演された(1924年)。
「ラプソディー・イン・ブルー」は、ガーシュウィンが 2台ピアノ用に作曲し、グローフェがジャズ・バンド用にオーケストレーションしたものが初演された(1924年)。
2台ピアノ版も初演後すぐに完成されている。本人が一人二役(二重記録)で演奏したピアノロールが残されている(↓)。
オーケストラ版は、1926年にグローフェが編曲し、のち 1942年に編集者のワトソンが一部改訂したものがあり、現在ではこの版が主に使われている。
その他、ガーシュウィンによるピアノソロ版(1927年)、ピアノなしでの演奏が可能なオーケストラ版や吹奏楽版も存在している。
✏️ラプソディ・イン・ブルー(Wikipedia)
初演されたオリジナル版は出版されなかったが、1976年にマイケル・ティルソン・トーマスがガーシュウィンの残したピアノロールから再現している(↓)。
この音源の元の CD は下記。マイケル・ティルソン・トーマスが弾き振りしたものと、ピアノソロ演奏が含まれている。
- ラプソディ・イン・ブルー(従来のグローフェ編ではなくオリジナル版)
- ピアノのための前奏曲
- ショート・ストーリー(世界初録音)
- バイオリン・ピース
- セカンド・ラプソディ
- フォー・リリー・ポンス(世界初録音)
- スリープレス・ナイト(世界初録音)
- プロムナード
「パリのアメリカ人」(1928)は管弦楽曲(シンフォニックジャズ)として作曲された作品だが、ガーシュウィン本人がピアノソロで演奏したピアノロールが残されている。
そのピアノロールを再現した音源(↓)があり、なかなかいい感じだ ♪
これは、1911年製 pianola(ロール式自動ピアノ)を使って変換したデータをヤマハ・ディスクラヴィーア DCFIIIS で再生したもの。元の CD は下記。
ピアノ協奏曲、ラプソディ第2番などは聴き覚えがなかった。
これは、マイケル・ティルソン・トーマスが弾き振りした上記の CD に入っているもの。この曲ももっと演奏されてもいいのではないかと思う。
(James Levine · Chicago Symphony Orchestra)
(Pf:Werner Haas)
ピアノソロ曲として作曲されたものは意外に少ないが、この中では「3つの前奏曲」と「2つの調のための即興曲」が一番まとまっているかな?
(Pf:Jeffrey Biegel)
(Pf:Dmitry Masleev)
♪ Hamelin plays Gershwin - Songbook (18 Songs) Audio + Sheet Music
(Pf:Marc-André Hamelin)
♪ Promenade (version for piano)
(Pf:Michael Endres)
(Pf:Michael Endres)
(Pf:Shai Wosner)
おまけ。上の Shai Wosner(シャイ・ウォスネル)の「2つの調のための即興曲」が入っているアルバム「Impromptu/ Shai Wosner」は実は 4年ほど前に聴いている。ガーシュウィンの即興曲についてはまったく記憶になかった…(^^;)。
ちなみに Spotify のこのアルバムの中では、ガーシュウィンがダントツの再生回数だ ♪
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