2023年6月12日月曜日

🎹G.ガーシュウィン 1898-1937 Rhapsody in Blue だけじゃない ♪

ジョージ・ガーシュウィン(George Gershwin、1898-1937)は、20世紀のアメリカ・クラシック界を代表する作曲家…ということは知っていたが、「ラプソディー・イン・ブルー」以外の曲はよく知らないことに気がついて、ピアノ音楽を中心に調べてみた…(^^;)。




ジョージ・ガーシュウィンは、移民(父はロシア、母はベラルーシから)の子として、ニューヨークのブルックリンに生まれた。ジャズなどのポピュラー音楽とクラシック音楽の両面で活躍し、アメリカ音楽を作り上げた作曲家として知られる。

作詞家である兄のアイラ・ガーシュウィンと組んで作った多くの歌曲は "The Man I Love"、"I Got Rhythm" などのスタンダード・ナンバーとして今でも親しまれている。

38歳で亡くなるまでに、オペラ 2つ、ミュージカル作品 50曲、映画音楽 4つ、そして、管弦楽曲 7曲、室内楽曲 2曲、ピアノ曲 10曲、歌曲 500曲を残している。


✏️ガーシュウィン(PTNAピアノ曲事典)


ピアノに関連する管弦楽作品。
  1. ラプソディ・イン・ブルー(1924)
  2. ピアノ協奏曲 ヘ調(1925)*1
  3. パリのアメリカ人(1928)
  4. ラプソディ第2番(1931)*2
  5. アイ・ガット・リズム変奏曲(1934)
  6. 交響組曲『Catfish Row』(1936)*3
*1 指揮者ウォルター・ダムロッシュからの委嘱
*2 映画『デリシャス』の音楽として作曲
*3 オペラ『ポーギーとベス』の音楽を演奏会用組曲に編曲したもの。ピアノはオーケストラの 1パートとして参加している。


ピアノソロ作品。
  1. タンゴ(1914)
  2. リアルトのさざ波 - ラグ Rialto Ripples Rag(1917)*1
  3. 3つの前奏曲(1926)
  4. ソング・ブック(1932)*2
    1. Clap Yo' Hands
    2. Do-Do-Do
    3. Do It Again!
    4. Fascinating Rhythm
    5. I Got Rhythm
    6. I'll Build a Stairway to Paradise
    7. Liza (All the Clouds'll Roll Away)
    8. The Man I Love
    9. My One and Only
    10. Nobody But You
    11. Oh, Lady Be Good!
    12. Somebody Loves Me
    13. Strike Up the Band
    14. Swanee
    15. Sweet and Low Down
    16. 'S Wonderful
    17. That Certain Feeling
    18. Who Cares? (So Long As You Care for Me) 
  5. プロムナード(1937)*3
  6. 2つの調のための即興曲(1929)
*1 Will Donaldson との共作
*2 既存のミュージカルから18曲選出し本人が編曲
*3 映画『踊らん哉』から「犬と歩けば」の編曲


なお、全音からいくつかの楽譜が出版されている。

📘ガーシュウィン ラプソディー・イン・ブルー(ピアノ編曲)


YouTube から聴いた中で比較的気に入ったものを挙げておく。

♪ ラプソディー・イン・ブルー バーンスタイン 1976
(レナード・バーンスタインによるニューヨーク・フィル弾き振り)

「ラプソディー・イン・ブルー」は、ガーシュウィンが 2台ピアノ用に作曲し、グローフェがジャズ・バンド用にオーケストレーションしたものが初演された(1924年)。

2台ピアノ版も初演後すぐに完成されている。本人が一人二役(二重記録)で演奏したピアノロールが残されている(↓)。


オーケストラ版は、1926年にグローフェが編曲し、のち 1942年に編集者のワトソンが一部改訂したものがあり、現在ではこの版が主に使われている。

その他、ガーシュウィンによるピアノソロ版(1927年)、ピアノなしでの演奏が可能なオーケストラ版や吹奏楽版も存在している。



初演されたオリジナル版は出版されなかったが、1976年にマイケル・ティルソン・トーマスがガーシュウィンの残したピアノロールから再現している(↓)。


この音源の元の CD は下記。マイケル・ティルソン・トーマスが弾き振りしたものと、ピアノソロ演奏が含まれている。



  1. ラプソディ・イン・ブルー(従来のグローフェ編ではなくオリジナル版)
  2. ピアノのための前奏曲
  3. ショート・ストーリー(世界初録音)
  4. バイオリン・ピース
  5. セカンド・ラプソディ
  6. フォー・リリー・ポンス(世界初録音)
  7. スリープレス・ナイト(世界初録音)
  8. プロムナード


「パリのアメリカ人」(1928)は管弦楽曲(シンフォニックジャズ)として作曲された作品だが、ガーシュウィン本人がピアノソロで演奏したピアノロールが残されている。

そのピアノロールを再現した音源(↓)があり、なかなかいい感じだ ♪

これは、1911年製 pianola(ロール式自動ピアノ)を使って変換したデータをヤマハ・ディスクラヴィーア DCFIIIS で再生したもの。元の CD は下記。



この CD には「ラプソディー・イン・ブルー」のピアノソロ演奏なども入っている。



ピアノ協奏曲、ラプソディ第2番などは聴き覚えがなかった。

♪ George Gershwin Piano Concerto in F major Wang Yuja - HD
これは、マイケル・ティルソン・トーマスが弾き振りした上記の CD に入っているもの。この曲ももっと演奏されてもいいのではないかと思う。

(James Levine · Chicago Symphony Orchestra)

(Pf:Werner Haas)


ピアノソロ曲として作曲されたものは意外に少ないが、この中では「3つの前奏曲」と「2つの調のための即興曲」が一番まとまっているかな?

(Pf:Jeffrey Biegel)

(Pf:Dmitry Masleev)

♪ Hamelin plays Gershwin - Songbook (18 Songs) Audio + Sheet Music
(Pf:Marc-André Hamelin)

♪ Promenade (version for piano)
(Pf:Michael Endres)

(Pf:Shai Wosner)


おまけ。上の Shai Wosner(シャイ・ウォスネル)の「2つの調のための即興曲」が入っているアルバム「Impromptu/ Shai Wosner」は実は 4年ほど前に聴いている。ガーシュウィンの即興曲についてはまったく記憶になかった…(^^;)。

ちなみに Spotify のこのアルバムの中では、ガーシュウィンがダントツの再生回数だ ♪

《シャイ・ウォスネル Shai Wosner のシューベルトいい ♪》






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《鍵盤音楽史》


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