2013年6月4日火曜日

読書メモ:青島広志の作曲ノススメ

別に作曲をしようと思い立ったわけではない。図書館の書棚を何気なく見ていたら、青島広志さんのこの本を見つけ、パラパラっとめくったら面白そうだったので…、という訳である。

『青島広志の作曲ノススメ』




本の内容は、簡単な作曲の入門書である。歌詞を元に、自然なイントネーションやリズムで簡単な(8小節)歌曲を作るところから始めて、ソナタ形式まで、分かりやすい流れで説明してある。読んでいるうちに、自分でも作曲できそうな気になってくる。(たぶんしませんが…)

それはさておき、改めて楽典とかの勉強をする気のない私にとって、この本はとてもいいサマリ(要点・簡潔・まとめ)になっている。一読しただけで、分かった気になってしまった。


一つには、楽曲の形式が思ったほど多くないことに安心(?)したのと、頭が整理されたのでとても得した気分になった。→下記のメモ。


歌曲形式(基本形)
 一部形式:a+b
 二部形式:A(a+a')+B(b+a'') 等
 三部形式:A(a+a')+B(b+b')+C(c+b'')、A+B+A 等
  →メヌエット等の舞曲に多い

変奏曲(「主題と変奏」は変奏曲が1つの場合)

接続曲(pot-pourri:ポプリ)または幻想曲(ファンタジー)
  → 3曲以上をつなげたもの(調の統一、曲間に「ブリッジ」…)

ロンド(バロック):A+B+A+C+A+D+…+A

ロンド(古典派):A+B+A+C+A+B+A(+coda)

ソナタ/ソナチネ:提示部(主題1+主題2)+展開部+再現部
  →基本は三部形式、交響曲もソナタ

カノン:二声とか…の追いかけ
  →音程、拡大/縮小、反行、逆行などの組合せ

フーガ:高度なカノン
  →主題、応答(五度上げた主題)、対唱、ストレッタ…


もう一つが音楽史。見開き2ページに「豆ちしき」としてまとめてある。音楽を勉強している人には常識だと思うが、下記のような時代区分とその特徴と代表する作曲家などを、実にコンパクトに分かりやすくまとめてある。

たとえば第二次大戦後の作曲家は「理論的なシュトックハウゼン、より感覚的なメシアン、思想家としてのケージ」とある。もちろん、これだけで十分でないことは素人にも分かるが、少なくとも概観的な「様子」を知ることはできる。


ルネサンス時代(15・16世紀)
バロック時代(17~18世紀前半)
古典派(18世紀後半~1820年頃)
ロマン派(1820年頃~19世紀末)
20世紀


他にも「豆ちしき」として、楽典、音程と和音、和声学などが載っており、音楽知識の入門編としてはいい本なのかも知れない。



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