オーケストラ(関東圏)の来シーズンのプログラムをチェックしているとき(↓)、角野隼斗くんとフランチェスコ・トリスターノが弾く「ブライス・デスナー:2台のピアノのための協奏曲」(日本初演)というのが気になったので聴いてみた。
これがなかなか良かったので、ブライス・デスナーについても少し調べてみることにした。
聴いたのは YouTube のこの(↓)音源。
♪ Dessner: Konzert für zwei Klaviere und Orchester ∙ hr-Sinfonieorchester ∙ Labèques ∙ Orozco-Estrada
演奏はアンドレス・オロスコ=エストラーダ指揮のフランクフルト放送交響楽団(hr-Sinfonieorchester)で、ピアノはラベック姉妹(Marielle et Katia Labèque)。
「2台のピアノのための協奏曲」(2017)はロンドン・フィルなどの委嘱でラベック姉妹のために書かれたもので、2022年まではラベック姉妹以外は弾けないことになっていた。
CD としては 2018年にパリで録音されたものがある(↓)。オーケストラはマティアス・ピンチャー指揮のフィルハーモニー・ド・パリ。ピアノはもちろんラベック姉妹。
✏️El Chan~ブライス・デスナー:作品集(Universal Music Japan)
この CD には下記の曲が収録されている。2台ピアノの作品(El Chan)も聴けるが、個人的にはあまり好みの作品ではなかった。
- Piano Concerto For Two Pianos
- Haven:2台ピアノ+2台ギター
- El Chan:2台ピアノ
- El Charco Del Ingenio
- Points Of Light
- Four Winds
- Ballade D'allende
- Coyote
- Pool Of El Chan
- Mountain
現代音楽の作曲家としては管弦楽、室内楽、合唱曲など広く手がけている。ピアノ作品としては CD "El Chan" に入っているものくらいしかない…のかな?
作風は、バロック音楽から民族音楽、後期ロマン派、モダニズム、ミニマリズムなど多くの要素を包含・融合している。(英語の Wikipedia から:Dessner's compositions draw on elements from baroque and folk music, late Romanticism, and modernism, as well as minimalism. )
米国のオーケストラなどから多くの委嘱を受けており、現代米国の音楽シーン(ロック〜クラシック)にはなくてはならない存在になっているようだ。
まだ数曲聴いただけなのでよく分からないし、現代作曲家としても捉え難い感じがしているのだが、ちょっと気になる存在ではある。
このインタビュー記事(↓)がなかなか興味深いのだが、ここで使われている「ジャンル横断的音楽家」というのがデスナーを表すのに一番合っているのかも知れない。
✏️The Nationalの頭脳ブライス・デスナー:「インディ化するクラシック」と越境する音楽家の新しいモデル(WIRED, 2014.03.14)
単なる弦楽四重奏曲ではなく、弦楽によるロックのようなリズムだったり、歌・合唱・ギターなども入る「現代音楽」?だったりして、なかなか面白いと思う。
✏️Kronos Quartet/Bryce Dessner『Aheym』(Tower Records)
一応、《鍵盤音楽史》にブライス・デスナーを追加しておくかな…。
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