「フィッツウィリアム・ヴァージナル・ブック」の試し弾きで気に入って選んだファーナビー(Giles Farnaby、英、1560-1640)の「古いスパニョレッタ」であるが、調べているうちにかなり有名な曲らしいことが分かってきた。
まずは、ファーナビーが作曲した時点で「グリーンスリーブスなどと同様、スペイン-南伊あたりの民謡(舞曲)として受け継がれていた旋律が、16世紀中葉になって様々な音楽家の目に止まり、編曲された形で世に出た」のでは?…ということがこの記事(↓)に書いてある。
✏️オールド・スパニョレッタ(未音亭日乗)
ファーナビー以前にこのメロディーに目を止めた音楽家としては、イタリアのファブリチオ・カローゾ(1526/1535-1605/1620)、少し後のドイツのミカエル・プレトリウス(1571-1621)などがいるとのこと。
レスピーギの「リュートのための古風な舞曲とアリア」第3組曲の3曲目「シチリアーノ」とファーナビーの「古いスパニョレッタ」が類似していることは有名なようだが、直接の引用ではなさそうだ。
レスピーギがローマのサンタ・チェチーリア音楽院の教授をしていたときに、そこの図書館で見つけた 16世紀頃の古いリュート曲を元にした…という説もある。
レスピーギは、同じタイトルで 3つの組曲を作っているが、第1・第2 組曲はオーケストラ用、第3組曲は弦楽合奏用である。第3組曲(1931年)が一番有名で、演奏機会も多い。
(小澤征爾、ボストン交響楽団)
カラヤン、ベルリンフィルの演奏もある。
レスピーギは、この組曲の中から 6曲を選んでピアノソロに編曲している。
- 小舞踏曲(第1組曲第1番)シモーネ・モリナーロの作品『オルランド伯爵』による
- ヴィラネッラ(第1組曲第3番)16世紀末の作者不明の曲による
- ガリアルダ(第1組曲第2番)ヴィンチェンツォ・ガリレイの作品による
- イタリアーナ(第3組曲第1番)16世紀末の作者不明の曲による
- シチリアーナ(第3組曲第3番)16世紀末作者不明の曲による
- パッサカリア(第3組曲第4番)ルドヴィコ・ロンカッリの曲による
✏️レスピーギ:リュートの為の古代舞曲とアリア/ピアノ(RI)(カマクラムジカ)
上の記事では RICORDI 社の楽譜が紹介されているが、下記の作品集にも含まれている。
このピアノ版「シチリアーナ」は、YouTube にあった演奏(↓)を見ると結構難しそうだ。
全音ピアノピースの「シチリアーナ/レスピーギ (ピアノピース-508)」では、難易度が D(中級上)となっている。
一方、「📗ピアノ名曲120選 初級編: バイエル~ブルクミュラー程度」(音楽之友社)にもこの「シチリアーナ」が載っているそうだが、初心者用の編曲になっているのだろうか?
ところで、Wikipedia「✏️リュートのための古風な舞曲とアリア」によると、「つのだ・たかしのリュート演奏でTVCMに利用され、スマッシュヒットとなった」とか、「2007年に発表された平原綾香のアルバム『そら』にも自身の作詞および沢田完の編曲による歌唱つきヴァージョンが収められた」とか書いてある。
YouTube で探すと、リュート演奏(なかなか気に入った ♪)やカゴメの CM が出てくる。平原綾香さんの歌も ♪
♪ シチリアーナ(平原綾香)
これで終わりかと思ったら、色々見ているうちにこんなもの(↓)も見つけた。
(Pf: Olga Scheps)
"The Tree of Life" というのは、ブラッド・ピットが主演した 2011年の映画(難解な宗教映画?)のようだ。その中で「シチリアーナ」の主旋律を繰り返すような曲(↑)が使われている。
…ということで、何気なく選んだ曲だったのだが、有名ということでちょっとだけモチベーションがアップしたかも…(^^;)?
一瞬、レスピーギのピアノ編曲版「シチリアーナ」に切り替えようかとも思ったのだが、難しそうなので、ファーナビーの「古いスパニョレッタ」を練習することにした ♪
(Pf: Daniel-Ben Pienaar)
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