《自由研究:ドメニコ・スカルラッティのソナタ (1)》(目次は下記)のつづき。
ドメニコ・スカルラッティとは
スカルラッティのソナタの特徴
スカルラッティのソナタ555曲
Domenico Scarlatti |
ラルフ・カークパトリック
ラルフ・カークパトリック(Ralph Kirkpatrick, 1911年6月10日 – 1984年4月13日)はアメリカ合衆国の音楽家・音楽学者・チェンバロ奏者。ドメニコ・スカルラッティのソナタを整理し、「K.(カークパトリック)番号」をつけた。
また、スカルラッティの評伝 "Domenico Scarlatti" を著した。この本の後半には、ソナタの分析や奏法に関する記述もあり、重要な文献であるとのこと。残念ながら、邦訳はないようだ。(正確に言うと、1975年に翻訳が出ているが、入手困難な上に誤訳が多い?らしい)
また、チェンバロ奏者として、スカルラッティのソナタを演奏した音源も残っている。例えば、下記YouTube音源。
♪ Kirkpatrick Scarlatti 1977 (K. 248, 249, 434, 435, 436)
スカルラッティのソナタの音源
スカルラッティのソナタの演奏(CD)で外せないのが、スコット・ロス(Scott Ross)のチェンバロによる全曲演奏である。
ソナタ曲集(選集)としては、ポゴレリッチのピアノによる「スカルラッティ:ソナタ集」などがある。
その他、NAXOSレーベルで全曲演奏の計画が進行中のようである。それぞれのCDで演奏者は異なっている。検索した範囲では、現時点で第16集まで確認できた。
💿ドメニコ・スカルラッティ:鍵盤のためのソナタ全集 第16集」(Pf: ハオ・ドゥアンドゥアン)
※追記@2023/01/26 時点で第26集まであるようだ。
💿ドメニコ・スカルラッティ:鍵盤のためのソナタ全集 第26集」(Pf: ブルーノ・ヴラヘク)
スコット・ロスの全曲演奏とポゴレリッチの演奏は、嬉しいことにYouTubeでも聴くことができる。それも含めて、聴いた範囲でのお気に入り演奏をあげておく。アルゲリッチのK.141(★印)は素晴らしい。
…など
K.20, K.135, K.9, K.119, K.1, K.87, K.98, K.13, K.8, K.11, K.450, K.159, K.487, K.529, K.380
K.175, K.513, K.402, K.403, K.144, K.115, K.116, K.474, K.475, K.449, K.450, K.544, K.545, K.516, K.517
♪ Scarlatti: Selected Sonatas (Pletnev)
K.1, K.3, K.9, K.27, K.96, K.141, K.247, K.380, K.519
※追記@2023/01/26:削除された?
K. 12, K. 144, K. 99, K. 441, K. 373, K. 32, K. 43, K. 202, K. 40, K. 225, K. 8, K. 70, K. 95, K. 56, K. 244, K. 83, K. 25, K. 69, K. 85, K. 59
ギター、ジャズ等への編曲
他の楽器やジャズへの編曲もいくつか見つかった。それぞれに、趣が異なっていて面白い。ギターとの相性がいいのは、チェンバロと音色が近いせいかもしれない。
♪ Scarlatti : Sonata K 9 (Jazz Version):ジャズ(Piano Trio)
スカルラッティの有名なソナタは?
選曲の参考のために、有名な作品と思われるものを、いくつかの資料(文献やCD)から探ってみた。とりあえずは興味本位なので、ご参考まで。
「ピアノ教材研究会/スカルラッティ」の解説の中で「有名」などとあるものは次の7曲。
↓
K.141:有名なトッカータ
K.146:おなじみの名曲
K.159:最も有名な曲の一つ(易しいので入門に良い)
K.380:最も有名な曲
K.386:情緒豊かな名曲
K.420:有名な曲
K.430:有名な曲
全音の「スカルラッティ 鍵盤楽器ソナタ 演奏の手引き」(トーマス・シューマッカー)という本に載っているものは次の24曲。
↓
K.1, K.3, K.9, K.20, K.30, K.87, K.96, K.118, K.119, K.159, K.162, K.203, K.208, K.209, K.319, K.380, K.421, K.427, K.454, K.455, K.466, K.513, K.544, K.545
チッコリーニのピアノ・ソナタ集(CD)に収録されている13曲は、カスタマーレビューで「有名曲を網羅」とコメントされている。
↓
K.406, K.9, K.492, K.380, K.87, K.268, K.64, K.259, K.159, K.377, K.239, K.432, K.1
ホロヴィッツのソナタ集(CD)の17曲は、カスタマーレビューに「このCDのおかげで…17曲ほとんどが有名に」なったと書かれている。
↓
K.531, K.322, K.455, K.33, K.54, K.525, K.466, K.146, K.96, K.162, K.474, K.198, K.491, K.481, K.39, K.380, K.55
以上を見てみると、意外と重複は少ない。K.380 が4件、K.159 が3件の重複。2件の重複があるのは、K.1, K.9, K.87, K.96, K.146, K.162, K.455, K.466 の8曲のみ。
今回、私が選曲した K.380 は偶然にも一番有名な曲だったようだ。たぶん、意識はしていなくても、聞き覚えがあったのだと思われる。
調べながら、いろんな演奏を聴いているうちに、スカルラッティもなかなかいいと思うようになってきた。お気に入りの演奏(曲、演奏者)を探して、もう少し聴いてみようと思っている。また、K.380 が終わったら、もう1曲くらい(続けてかどうかはさておき…)弾いてみたいとも思う。
ということで、夏休みの自由研究?は一旦終了とする。面白かったけど、さすがにちょっと疲れた…(^^;) ♪
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