が、集中力や「近所迷惑」のこともあって、ピアノの前に座っているのは毎日せいぜい1時間である。ほぼ毎日やっているだけでも大したものだ(と自分では思っている)。
子どもがやるように、少しずつ何度も繰り返して、といったやり方は60過ぎの大人には苦痛である。それに、バイエルなどの教則本を順番にやっていくのもつらい。そこで、「大人ならではの効果的な練習法」なるものを何とか見つけたいと思い、日々工夫を重ねている。大人は知恵を使えるし、他人の知恵(本など)も利用できる。
今の時点で気に入っているのは「心技体」という考え方。「心」は音楽性というか音楽の心というか、要は気持ちの問題。これは練習という範疇を超えるので、ひとまず横に置くことにして…。
「技」はメインパートであり、レガートだのフレージングだの強弱・速度の変化だの、やることは山ほどありそうである。ここは(たぶん)ピアノを実際に弾いて、曲をこなす中でつけていくものだろう。
で、「体」である。ピアノの演奏も体を使ってその動きで「音」を出し「音楽」を現出させるものであり、これはある意味アスリートの華麗な演技やプレーと同じである。そう大げさなことを言わなくても、ピアノを弾くうえで重要なのが手・指であろう。これを鍛えることにした。基礎体力をつける訓練である。
なにせ、そもそも我流であり、ピアノに触るのが30数年ぶりであり、さらには老体(本人は認めてないが…)といえる年齢になっている。手も指も、とてもピアノ用にはなってない。ピアノを弾いてもぎこちないことこの上ない。
しっかりした音は出ないし、思ったところに指がいかないし、速い動きはできないし…。それを少しでも解消すべく、ピアノを弾く時間以外にも「指の鍛錬」をやることにした。
今やっていることは、スポーツと同じように、
①筋トレ
②柔軟性(ストレッチ)
③俊敏性(スピード)
の三つである。
①はテーブルの上などに2から5の指を置いて、手首を下に押し下げる、これを4本~1本でやる。②は、よくある指の間を広げて伸ばすのと、親指回し。
③はいつも風呂に入りながらやっている。湯船につかっている間に、底を鍵盤に見立てて、2と3、3と4、4と5などの組み合わせでトリルの練習をする。
効果のほどはまだ分からない。が、少なくとも、はじめはほとんど動かなかった4と5の指のトリルがすこしはできるようになった。また、モーツァルトのソナタの第1楽章のスピードが少し上がってきた。
「ピアノの練習で筋トレなんて聞いたこともないし、やったこともない」とウチのカミサン(実はピアノの先生)はのたまうのだが、「大人には大人のやり方がある」と、とりあえずは効果を信じて毎日トレーニング中である。
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