ブクステフーデ「前奏曲とフーガ ニ短調 BuxWV140」(プロコフィエフ編曲)の練習を始めてから 1カ月と 1週間。一応「通し練習」ということにしている。
とはいえ、十分に弾けてない箇所はまだまだ残っているので、気がつくと部分練習を繰り返していたりする…(^^;)。楽譜は、基本的には見ないで弾いている。
このところ、一番意識しているのは「音色」と「響き(ペダル)」。
この曲はオルガン曲をピアノ用に編曲したものなので、少し弾きづらいところがあったり、ピアノの響きでは物足りなさを感じる箇所があったりもする。
例えば、冒頭(↑)の低音の D音。1小節半の間ペダルを踏み続けると音が濁ってしまうが、この音がないと淋しい…。サステインペダルって必要なんだ…と改めて思う…(^^;)。
なので、1小節目の上の段は "pp" で出来るだけ小さい音を意識して、2小節目の頭くらいでペダルを外して…などと色々試している。
オルガンの響きに近づけたい訳ではなく、あくまで「ピアノ曲」として、ピアノでの一番美しい「音色」「響き」を出せればいいと思っているのだが…。
ペダルは音が濁らない範囲で、出来るだけ豊かな音を出すことを心がけている。
「フーガ」の方でも、音に深みを付けたいところとか、豊かな響きが欲しいところでは、細かくペダルを踏むようにしている。まぁ、音が濁らないように踏むのは簡単ではないが…(^^;)。
フレージングはあまりうまく出来ていない。とくに、"rit. 〜 a tempo"(下記楽譜の 3〜4小節など)の感覚がつかめずに苦労している。
スケール練習はト長調/ホ短調。親指の「くぐり」問題は少し改善の兆し…。で、少しずつスピードアップの練習中。リズムやアクセントの変更などはまだ。
音楽鑑賞は、ピリスさん(マリア・ジョアン・ピレシュ)の引退記事を読んだときに見つけた "Schubert for Everyone" というアルバムを聴いたりしている。
ピリスさん以外にもアルゲリッチやガブリエラ・モンテーロなどの演奏が入っている。ピリスさんのシューベルトは本当にいい ♪ ただ、録音時期などがよく分からない。
ピリスさんが、昨年「高松宮殿下記念世界文化賞」の授賞式で話された内容を読み返していて、今回のショパンコンクールで感じた物足りなさの一部が分かったような気がした。
「コンクールばかり経験してきたピアニストは、まるでロボットのような演奏をしていると感じています。コンペティションのためだけに準備や演奏をする……結果、創造性やイマジネーション、そして作曲家に対する敬意は失われ、統一された弾き方だけが残ります」
もちろん、すべてがそうであるとは思わないが、一部のピアニストの演奏が、私にとってはどこか空虚に響いたことは確かである。上手いんだけども…。
人間性とか感情とか創造性とかイマジネーションとかを感じられない、聴く者の心を動かすことのない「達者」な演奏は「生成 AI」にでも任せておけばいいのでは…?



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