2024年7月8日月曜日

Mozart ピアノ協奏曲第6番 K.238:20歳のモーツァルトが演奏会で披露した快活な曲 ♪

モーツァルトのピアノ協奏曲、今日はピアノ協奏曲第6番 変ロ長調 K.238。20歳のモーツァルトが自身(or 姉のナンネル)の演奏会で披露するために作られた作品と思われる。

屈託のない明るさが際立つ作品、ちょっと気に入ったかも ♪




ピアノ協奏曲第5番 K.175 から 2年ほど後の 1776年前半に第6番・第7番・第8番が立て続けに作られ、翌 1777年初めには第9番「ジュナミ」が完成している。同時期に作られた 3台ピアノ用の協奏曲第10番も入れて 6つのピアノ協奏曲がザルツブルク時代の作品となる。

これらの作品は、姉のナンネルやモーツァルト自身の演奏会のため、あるいは貴族からの注文によって作曲されたものと考えられており、当時のザルツブルグの社交界の雰囲気を反映して屈託のない明るさ・華やかさに彩られているものが多い。


今回モーツァルトのピアノ協奏曲を聴き始めて、この翳りのない単純明快な音楽の心地良さに改めて気がついた自分がいる…(^^)♪

第1楽章の速度・発想記号は "Allegro Aperto" 。"Aperto"(アペルト)というのはイタリア語で「開く、解放する(open)」という意味。音楽記号としては「はっきりと、ゆったりと明るく」といった感じ。

「(イタリアの)澄み切った青空に放り投げられる開放感」みたいな解説記事もあった。いずれにしても、一点の曇りもない明るさを感じる。

ちなみに、ピアノでは "Aperto" が「右ペダルを踏んで(開放弦で)」を意味する場合もある。ついでに、イタリアで店の「営業中」も "Aperto"(Open)だそうだ。


今回も何人かの演奏を聴いた。一番気に入ったのはクリスティアン・ツァハリアス(Christian Zacharias、独、1950 - )の若い頃の演奏。明るい伸び伸びとした音色と軽やかな音楽の流れがとても魅力的だ ♪



ツァハリアスは名前は知っていたが、演奏をじっくり聴いたことは(たぶん)ない。

ヴラド・ペルルミュテールにも師事していたとか、スイス・ロマンド管弦楽団の指揮者も務めたとか、モーツァルトとシューベルトのピアノソナタ、モーツァルトやベートーヴェンのピアノ協奏曲の全曲録音で名高い(Wikipedia)…ということも初めて知った…(^^;)。

モーツァルトのピアノ協奏曲の全曲録音については、30〜40代に録音したものと、2015年リリースの二つがあるようだが、後者の音源は見つけることができなかった。


あと気に入ったのは、内田光子さんとイギリス室内管弦楽団の演奏 ♪

♪ Mozart - Piano Concerto No. 6 in B-flat major, K. 238 (Mitsuko Uchida)


ソロと違って、協奏曲となると(当然であるが)オーケストラの音で印象がかなり変わってくる。ピアノとオーケストラのアンサンブルの良し悪しも…。

そういう意味でも、上に挙げた二つの音源のオーケストラはなかなかいい演奏をしていると思う ♪ ツァハリスと共演しているオーケストラは、Gianluigi Gelmetti が指揮する Radio-Sinfonieorchester Stuttgart。内田光子さんと共演しているイギリス室内管弦楽団の音はモーツァルトと合っているような気がする。




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