2013年8月7日水曜日

読書メモ:感動をつくれますか?

養老孟司さんと久石譲さんの対談『耳で考える ――脳は名曲を欲する』を読んでから、少し久石さんに興味を持った。図書館でもう一冊新書を見つけたので読んでみた。

面白かったので、読みながらとったメモを載せておく。(数字はページ番号)

『感動をつくれますか? 』




緑の字はとくに共感したところ。

16
ものをつくる姿勢には二つの道がある…
…自分の思いを主体にして、つくりたいものをつくる生き方 →芸術家(採算度外視)
…自分を社会の一員と位置づけてものづくりをしていく在り方 →商業ベース

22 気分の波に流されない
何かを表現していく人間にとって、自分の拠り所を気分に置いてしまうのは危ういことだ

26
…曲を書く際に、人を感動させようとか、美しいメロディーを書いて泣かせてやろう、と考えているわけではない。

29
日本人は、漠然としたイメージだけで「感性」という言葉を大事にしすぎているように思う。
…その人の持つ感覚的なものもあるが、それ以上に、その人のバックボーンにあるものが基盤になっているのではないかと考えられる。

42
(指揮台に立ったときに)その空気を察し、把握できると、「今日はこうしたらいい」という方向性がピンと浮かんでくる。…その空気の中での”音をつかむ”ことが出来たら…

48
創造力の源である感性、その土台となっているのは自分の中の知識や経験の蓄積だ。そのストックを、絶対量を増やしていくこと…

51
直感力を養うためには…センサーが鋭敏に働くように、感度を磨くことだろう。
…(漁師が台風を察知できるように)人間は経験から割り出した独特の第六感から、自分に必要な知恵を嗅ぎ取れるようになるということだ。

68
「バカってうつるんですよ」 レベルは低い方に揃う

71
仕事はまず核心を突く、一番大事なところからやる…

73
歳をとるほど人間は経験も知恵も豊富になるというが、それはウソだ。経験も知恵もうまく活かせないと意味がない。(経験は人間を臆病にする面もある)

123
クラシック音楽は、…二十世紀に入ってからどんどんと複雑になっていく。1940-50年以降になると、リズムを失っていく。不協和音が多くなり、複雑な構成の中でスコアは真っ黒。

専門家は解釈に走る。人々にとって日常の生活で必要とされる音楽ではなくなってしまった。実体を失ったといえる。理論が肥大すると、実質は痩せる

20世紀はポップスの時代であり、それはすなわち、リズムの時代だった。…

125
アメリカ:フィリップ・グラス(ミニマル・ミュージック、映画音楽)
イギリス:マイケル・ナイマン(ミニマルの命名、映画音楽:「ピアノ・レッスン」等)

137
(ひたすら拡大再生産の道を進むのは)…本来人間の望んでいる姿ではない…。理念に限界はないが、現実には限りがある。…

154
今、最も心配していることは、こんな政治状況でも学生たちがデモや集会をしないことだ。

158
(日本人は)基礎技術はすごい。だが、そこから先の本当の”音楽する”という部分が弱い。

161 うまさより「何を伝えたいか」が大事  ※音楽の「デッサン」



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