たまたまネットで見つけた「ぴあの好きの集い」なるものに行ってきた。
アマチュアのピアニスト20人による無料コンサートである。14回も続いているというので、それなりのレベルだろうと思ったのと、曲目に興味があったので、市ヶ谷まで出かけた。
つまらなかったら途中で帰ろうと思っていたのだが、結局最後まで5時間半ほどの演奏を楽しませて戴いた。予想以上にレベルが高く、色んな人の色んな曲を一度に聴けたことで、思わぬ発見もあって、面白かった。
まず、新しい(知らなかった)曲や作曲家の発見。気に入ったのは下記。
- デュティユー: 『6つの小曲集「波のままに」』 より 『バッハへのオマージュ』
- AYUO: 『ユーラシアン・タンゴ』より第1番,第3番,第5番
- Ph. シャルヴェンカ: 綺想曲 Op. 25
- アルカン: 25の前奏曲 Op. 31より 第13番,第12番
- チャイコフスキー=プレトニョフ: 『眠れる森の美女』 Op. 66 より第10曲『アダージョ』
- リャードフ: 「3つの小品」Op. 57 より 第1曲『前奏曲』
- メトネル:「6つのおとぎ話」Op. 51 より 第3曲
ほとんどが知らなかった作曲家なので、しばらくはYouTubeなどで他の曲も聴いてみようと思っている。このうち、AYUOは(嬉しいことに)日本人。高橋悠治氏の息子の高橋鮎生さんのことらしい。
また、アルカンという人はショパンの死後その弟子を引き取ったような人らしい。今年は生誕200年に当たるらしく、下記のようなコンサートがあるようだ。どれか一つ行ってみようかと思う。
- ヴィンチェンツォ・マルテンポ ピアノ・リサイタル:11/02(土)18:00~ (横浜みなとみらいホール・小ホール)
- 森下 唯 ピアノ・リサイタル:11/06(水)19:00~ (すみだトリフォニーホール・小ホール)
- アルカン生誕200周年祝賀ピアノコンサート:11/2(土)13:00~ (横浜みなとみらいホール 小ホ-ル)
そして、一番興味深かったのは「ピアノの音色」。
ピアノはスタインウェイだったのだが、演奏者によって出てくる音がまるで違うのでびっくり。ある程度は予想していたのだが、これほど違うとは正直思っていなかった。
とくに違いが際立ったのは中低音のフォルテの和音。力任せに弾くような人も何人かいて、プログラムの紙に、思わず「うるさい」とか「だんご」とか記入してしまった。上手い人は同じようなフォルテの和音でも、きれいに響いて音がだんごにならない、うるさくない。
それから高音。クリスタルのような澄んだいい音を出す人もいれば、割れたガラスのようなキンキンしたノイズ交じりの音になる人もいる。
全体的な感じとしては、大音響を出すことにこだわっている人が多いような気がした。感情を込める、表現する、曲の流れに乗る、という方向はいいのだが、その結果力が入りすぎているのではないかと思った。
でも、ふだんあまり聴けない曲をたくさん聴かせて戴いたし、演奏もそれなりに良かったので、満足の半日でした。
おまけ:プロの演奏家の演目はありきたりのものが多く面白くない。それと比べると、この演奏会のように色んな作曲家の色んな曲を聴けるのは本当に面白い。
クラシック界の低迷を救うのは、もしかするとこういうアマチュア音楽家の熱い思いなのでは、とちょっと感じた次第でした。アマチュアピアニスト頑張れ!
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