2015年4月30日木曜日

ピアノ演奏と論語「七十而従心所欲、不踰矩」?

一昨日、《「新即物主義」v.s.「19世紀ロマンティシズム」》というタイトルの記事を書いた。青柳いづみこさんの『どこまでがドビュッシー?』という本からの話題である。

タイトルは難しいが、要は、楽譜どおりに几帳面に弾くのか、「ロマンティック」にテンポを揺らしながら大きく表情をつけて弾くか、という主義主張の違いの話であった。

この記事を書きながらふと頭に浮かんだのが、「論語」の中にある次の言葉である。

七十而従心所欲、不踰矩

ピーター・ゼルキン:B(Pianist Check)


 ピアニスト・チェック →《ピアニスト一覧表》

ピーター・ゼルキン

(アメリカ、Peter Adolf Serkin)


名前は以前から知っていた。たぶん有名なピアニストなので、期待して聴いてみたが、正直言って好みではない。どの演奏を聴いても、何か私のイメージと違うし、やや乱暴に聴こえることもある。ときどきミスタッチもあるような気がした。
最初に聴いたのが、2003年日本での演奏(TV録画なので音質はあまりよくない)。1番目の現代曲、ウォルベという作曲家の「パッサカリア」という曲。12音音楽らしいが、初めて聴くせいか面白いと思った。ところが、ベートーヴェンの2曲(ソナタ第30番とディアベリ変奏曲)はまったく私の好みではなく、途中で聴くのをやめた。もう一つが、これも2003年の「N響アワー」の録画で、ブラームスのピアノ協奏曲を聴いた。冒頭の解説で現代曲が得意だという紹介があった(やはり)。力強い弾き方からして、協奏曲だと少しはいいかと思ったのだが、残念ながら最初に聴いたベートーヴェンと同じ印象であった。
「有名」という意味では、父親のルドルフ・ゼルキンとごっちゃになっているかも知れない。一応、現代曲を聴くときにピーター・ゼルキンの名前を思い出すとしよう。

総合評価:B (A: 良い、B: 普通、C: 好みじゃない)

2015年4月29日水曜日

近況:ベートーヴェンのソナタ第27番 後半の難所!

ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第27番第2楽章の練習を始めて、そろそろ1カ月が経とうとしている。進み具合としてはあまりよくない。1〜2週間前はわりと順調な感じだったのだが…。

ロバート・レヴィン:-(Pianist Check)


 ピアニスト・チェック →《ピアニスト一覧表》

ロバート・レヴィン

(アメリカ、Robert D. Levin)


ベートーヴェンの協奏曲第1番は、少し軽い感じがする(曲自体のせい?)が、好みの演奏である。大音響を出しているわけではないが、小さい音も芯があって歯切れがよい。
これ以外に、まとまった演奏の音源はあまり見当たらず、講義(モーツァルトが多い?)などの映像がたくさん見つかった。演奏者としてよりも、「先生」としての活動に軸足を移しているのかも知れない。また、チェンバロやフォルテ・ピアノの演奏もあるので、そういう面からも「学者」的な印象を受ける。したがって、今回はピアニストとしての評価はしないことにする。
ただし、講義などの映像は(英語ではあるが)一度ちゃんと聞いてみたいと思う。

総合評価:- (A: 良い、B: 普通、C: 好みじゃない)

2015年4月28日火曜日

「新即物主義」v.s.「19世紀ロマンティシズム」

いま、『どこまでがドビュッシー?』という本を読んでいる。青柳いづみこさんの、わりと新しい本(2014年10月刊)である。

下の [ 内容紹介 ] にあるように、音楽(作品)というのは、どこまで変えると・手を入れると、その音楽ではなくなるのか、という切り口で音楽を語っている。音楽の本質に関わるようなテーマかもしれない。様々な具体例で分かりやすく書いてあるので、とても面白く読める。

どこまでがドビュッシー?――楽譜の向こう側


[ 内容紹介 ]
音楽というのは、どこまでデフォルメしたらその音楽に聞こえなくなるのか。ピアニストはどこまで楽譜から自由になれるのか。最近新たに見つかったドビュッシーのスケッチを手がかりに、モノ書きピアニストが、作曲家にとって楽譜とは何か、そしてテキストとパフォーマンスの不思議な関係に迫る。

2015年4月27日月曜日

ギャリック・オールソン:B(Pianist Check)


 ピアニスト・チェック →《ピアニスト一覧表》

ギャリック・オールソン

(アメリカ、Garrick Ohlsson)


ピアノ協奏曲2つとソロを1つ聴いたが、あまり好みではない。その中では、ショパンのピアノ協奏曲第1番(1楽章途中まで)がまずまずという感じ。ブラームスの協奏曲第2番はそれなりの演奏。ただ、ところどころやや乱暴かなという印象があるのと、全体的にあまり面白くない。リストのメフィスト・ワルツは、この曲はあまり好きではないということを割り引いても、なんだかまとまりがないというか、弾き方も構成もやや粗雑な印象を受けた。

総合評価:B (A: 良い、B: 普通、C: 好みじゃない)

2015年4月26日日曜日

エマヌエル・アックス:A-(Pianist Check)


 ピアニスト・チェック →《ピアニスト一覧表》

エマヌエル・アックス

(ポーランド、Emanuel Ax)


ブラームスの協奏曲は、1番も2番もかなりいい感じの演奏。オーケストラとの一体感もバランスもいいし、ピアノの音色や響きも申し分ない。コントロールの効いた演奏は好みであるが、やや端正すぎるかもしれない。ヨーヨーマとのショパン「Polonaise brilliante」は素晴らしい。この二人の演奏はいくつかあがっているので、いずれ聴いてみようと思う。ソロの演奏があまりないのだが、ショパンのスケルツォはわりとよかった。
その他、マスタークラスの映像やインタビュー映像がたくさんある(一つ一つは短いが…)ので、参考になるかもしれない。

総合評価:A- (A: 良い、B: 普通、C: 好みじゃない)

2015年4月25日土曜日

国際ピアノ・コンクールの審査員たち ♪

「ピアニスト・チェック」を歳の若い順からやっているのだが、60歳代を超えたあたりから、プロフィールに国際ピアノ・コンクールの審査員という肩書きもチラホラ現れる。

ちょっと気になったので、興味本位で、主な国際コンクール5つの審査員を調べてみた。どのコンクールも11〜14人くらいである。


ショパン・コンクール:日本人12人が事前審査を通過 ♪

今日、ショパン国際ピアノ・コンクールの事前審査結果が発表された。160人のうち、10月の第1次予選に進むのは、事前審査免除の7人を含む84人である。


審査の様子と思われる写真:公式サイトより引用

ミシェル・ベロフ:B+(Pianist Check)


 ピアニスト・チェック →《ピアニスト一覧表》

ミシェル・ベロフ

(フランス、Michel Béroff)


最初に「NHK Super Piano Lesson」の映像があったので聴いてみた。ラヴェル(ガスパール)はそれなりにいい感じ。ドビュッシー(ピアノのために:トッカータ)は、なかなかいいのだが、ちょっと硬質過ぎるかも知れない。ドビュッシーの演奏はたくさんあったので、いくつか聴いてみた。例えば「映像:水の反映」など。どれもいいのだが「よく弾けている演奏」という感じで、伝わってくるものが少ないような気がする。A-かB+で迷ったが、直感(好み)的にはB+。
ちなみに、「スーパーピアノレッスン」をはじめ、いくつかのマスター・クラスの映像もいくつかあるので、それはとても参考になりそうである。

総合評価:B+ (A: 良い、B: 普通、C: 好みじゃない)